TOPアメリカン・プロレスWWE 2020年 →WWE:Takeover Portland 2/16/20

WWE:Takeover Portland 2/16/20の分析


名勝負 なし
好勝負 ノース・アメリカン王座戦:キース・リー(ch)vs.ドミニク・ダイジャコヴィック

フィン・ベイラーvs.ジョニー・ガルガーノ

@ノース・アメリカン王座戦:キース・リー(ch)vs.ドミニク・ダイジャコヴィック
 演舞、ショルダータックルの耐えあいを
 360ロープワークによりビッグ・スケールで。
 空間の広げ方が数え歌の中でも飛び切りでしたね。

 それぞれ打撃の余韻を共通させ、
 ベースラインの共有ができているのが良いですね。

 キースがジャーマンを自ら立ったまま投げっぱなしにする等
 技も彼らにしかできないスケール感があります。

 打撃の打ち合いで終盤に入ったことを明示してから
 場外椅子に座らせスプリング・ボード式スワントーンなど
 十分なクライマックス演出で
 オープニング関係なしでショーをスティールしにいく激戦を展開。

 通常放送では彼らの数え歌のポテンシャルを十分に発揮していませんでしたが、
 遂にTakeoverでこの数え歌ならではの内容を再現することに成功。
 良かったですね。

 文句なしに好勝負。

Aストリート・ファイト:ダコタ・カイvs.テーガン・ノックス
 ダコタが不意打ちを仕掛けると
 フェンスごと破壊のスピアーで盛り上げます。

 適度に場を移しながらお試合運びで
 乱戦の肝は押さえているし、
 テーブルや立てた椅子のスポットに関して
 これは食らったら終わり、としっかり位置づけられているのは良い。

 攻防と感情のストーリーラインが一致した素晴らしい試合ですが、
 ゴンザレス乱入で終わってしまうところは残念。

 好勝負に少し届かず。

Bフィン・ベイラーvs.ジョニー・ガルガーノ
 動き自体はテクニカルではないが
 転がしたり抜け出す行為のタイミング取りが上手く、
 じっくり魅せるレスリングを展開。
 アメリカ的ではない見せ方ですがNXTとあって受けは上々です。

 ベイラーが挑発要素をアクセントに混ぜると
 ガルガーノもエプロン・スピアーからラフで応戦。
 ベイラーも足を上手く使っているし、
 プロレスのテクが随所にあって非常に味わい深い。
 また音のプロレスとしても大変心地よい。

 その一方で色々な要素に手を出していて
 試合としての全体像はどうか。

 ベイラーの足攻めが骨子になるかと思いきや、
 カメラワークの悪さもあって、
 受け手のガルガーノの感情が全然伝わってこない。
 また均衡した攻防作りと部位攻めが干渉していて、
 試合として全体観を作る中盤機能が不十分でした。

 私的な戦いの演出は出来ていて
 均衡した攻防のクオリティ自体は抜群。
 少し見込み外れもありましたが、
 基本的には狙い通りに動いて完全燃焼した試合です。

 ガルガーノのvs.コール、チャンパに比べると
 フェイス対決的制限があってドラマ性に劣るも
 素晴らしい試合には違いなく、
 特に日本のプロレス・ファンにはより受けそうですね。

 ぎりぎり好勝負。

C女子王座戦:リア・リプレイ(ch)vs.ビアンカ・ブレア

Dタッグ王座戦:アンディスピューテッド・エラ(ch)vs.ブルーザーウェイツ(マット・リドル、ピート・ダン)
 入場するなり乱戦からリングへ。
 リドル、ピートのスター・パワーは強烈ですが、
 今回タッグとしての意識に欠けるか。

 後半はピートが脚を攻められ
 セコンドとして援護ができない
 そういう見せ方は素晴らしいものの
 その枠以外のディティールに思ったより目がいかず。

 中々良い試合ではありますが、
 このカードの目指すものはこんなものではないでしょう。

ENXT王座戦:アダム・コール(ch)vs.トマッソ・チャンパ
 リング内外の心理戦。
 チャンパがスロー・ゲームに持ち込みます。
 コールが場外でコントロールを取ろうとするところ
 チャンパが逆にラフに叩きのめします。

 チャンパのアピール能力が活かされているものの
 そのスローな展開は時間をかける価値があるかやや疑問。

 中盤コールが実況席へのジャーマンなど
 重要な位置付けでスポットを配置。

 そこから終盤はベイラーvs.ガルガーノと同じく
 カウンターを利かせてニア・フォール合戦へ。

 ガルガーノ乱入、UEも乱入、レフェリー気絶など
 TVプロレスの演出盛り沢山となっていますが、
 芯の部分、本質的な部分が追いついていない30分試合。
 コールのスタイルが悪い方に働きました。

 好勝負に少し届かず。

 (執筆日:2/?/19)
DVD Rating:★★★★☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ノース・アメリカン王座戦:キース・リー(ch)vs.ドミニク・ダイジャコヴィック
Aストリート・ファイト:ダコタ・カイvs.テーガン・ノックス
Bフィン・ベイラーvs.ジョニー・ガルガーノ
C女子王座戦:リア・リプレイ(ch)vs.ビアンカ・ブレア
Dタッグ王座戦:アンディスピューテッド・エラ(ch)vs.ブルーザーウェイツ(マット・リドル、ピート・ダン)
ENXT王座戦:アダム・コール(ch)vs.トマッソ・チャンパ