TOPアメリカン・プロレスWWE 2011年 →WWE:Summerslam 8/14/11

WWE:Summerslam 8/14/11の分析


名勝負 なし
好勝負 世界ヘビー級王座戦、ノー・ホールズ・バード:クリスチャン(ch)vs.ランディ・オートン

@コフィ・キングストン、ジョン・モリソン、レイ・ミステリオvs.ザ・ミズ、アルベルト・デル・リオ、Rトゥルース
 WWEには珍しい3つの抗争をまとめたトリオ・マッチ。
 特にどの抗争も目立ったものを生み出していないがトリオとしてバリエーションには富んでいる。
 コフィは他と一線を画する身体能力を発揮しているし、
 トゥルースはミステリオとの攻防をそつなくこなしている。
 少々場にフィットしていない動きではあったものの貢献度の方が上回っています。
 ミズは相手を孤立させる役割を担当。
 キレはあるもののすぐにダウンさせなきゃと少々焦っている。
 モリソンとデル・リオは思ったより存在感が薄かったが悪くはないでしょう。
 ミステリオは負傷の影響があるようで活躍の場面を絞ってきましたね。
 明日の王座戦はどうなるか。
 平均レベル。

Aシェーマスvs.マーク・ヘンリー
 シェーマスは打撃で調整しようとしているもののファイトが小さくなっている。
 それに伴い間が崩れていて、かといってリズムでも動いている訳でもない。
 受けもなくベビーフェイス・スタイルへの変更は思ったより時間がかかるかもしれない。
 ヘンリーも獰猛性で売っているのに場外に出して何もしなかったり
 中途半端に空を見て間を空けたりしていてイマイチです。
 最後のフェンス破壊は印象的だが、それ以外は感心できない内容。
 悪い試合。

Bディーバズ王座戦:ケリー・ケリー(CH)vs.べス・フェニックス
 ケリーの必死さが伝わるラッシュだったものの
 ロープへの走りレベルで拙い部分があるからこそ
 そこで生まれている勢いは選択した行動が本来持つそれ以下となっている。
 また終盤の反撃時の叫びは唐突でヒステリックに見えるし、
 丸め込み勝利後王座を掲げながら足早に逃げるシーンは王者の姿ではない。
 ベスはベーシックな試合運びだが
 それ故に脅威表現に手が回っていないのが勿体無い所です。
 ひどい試合。

Cダニエル・ブライアンvs.ウェイド・バレット
 ブライアンは定番となりうる絵になる技を次々と披露しています。
 来るべきMITBの権利行使に備え、有効な持ち技を増加・確立しておく必要があるのは確かです。
 しかしどれが受けるかなんてPPVで試すなんて少々バレットに失礼です。
 バレットはオールラウンダーの難しさですが
 投打締の攻め種の機能分けをもっと明確にしなければならない。
 様々なトライ、競い合いで可能性は感じたものの
 この試合でその可能性は実っておらず物足りない内容。
 平均より少し上。
 
◆試合前にクリスチャンがエッジを呼び込むもエッジは見捨てて去っていく。
D世界ヘビー級王座戦、ノー・ホールズ・バード:クリスチャン(ch)vs.ランディ・オートン
 打撃からの早めの進行でノー・ホールズ・バードの戦いへの前準備を済ませている。
 クリスチャンが逃げようとする展開、凶器追加でエンターテイメントな部分が前面に出てきますが
 その実、優れた技術と相互の融合こそが本当に注目すべき部分です。
 アティテュード時代のような限界ラインの一方向的な押し上げとは違う、
 凶器や必殺技を織り交ぜた後どうやって元に落ち着かせるかというアフター・フォローまで必要な高度な構築がある。
 また場をテンポ良く移しながらの押し引きの攻防にはクリスチャンのキャラが含まれている。
 一進したら一退すべきという汎用的なものではなく
 ヘタレで自信過剰なクリスチャンがどういう時にやられどういう時に反撃すべきかという考えが出来ている。
 これこそこれまでの試合で成し得ていなかった点です。
 ラストはオートンが制裁するような絵格好でしたが、遂にオートンvs.クリスチャンになった内容。
 オートンの凶器に対するリアクションも芳醇で素晴らしかったですね。
 ぎりぎり好勝負。

EWWE王座統一戦:ジョン・シナ(ch)vs.CMパンク(ch)
 まずは同じ事をやり返す形のレスリング。
 仕切りを置いて観客の反応を引き出しているものの相互の働きかけは見られず。
 観客もレスラーも初戦のようなエピックを内に秘めて望む事は難しいでしょうがフラットな印象を受けますね。
 中盤はパンクの腰攻め。
 シナのダメージ設定がやや重く、必要以上にスローペースになっています。
 受けの提案力、表現としてはまずまずですけどね。
 後半は再戦の常道として定番ムーブの切り返しを多めに交えています。
 シナのドロップ・キックを初めとした良い意味で雑である事で
 気持ちを伝えるムーブも効果的に働いていますね。
 HHHのレフェリングもマイナス要素にはならず、メインとして合格点を与えられる内容でした。
 しかし単純な対等な扱い、俗っぽい再戦のイメージに縛られて深みにたどり着けていなかった事は確かで、
 相対的には物足りなさを感じる。
 中々良い試合。
 
◆試合後ナッシュが乱入しパンクにジャックナイフ。
 デル・リオが登場しMITB行使で王座移動となる。

総評
 アンダーカードはもっと伸びたがクオリティとしてはこんなものでしょう。
 セミはサプライズの空打ちも中身が予想以上で、
 メインは中身が期待を下回ったものの、引き続きストーリーに注目させるサプライズを用意している。
 良質な大会。
 (執筆日:8/15/11)
DVD Rating:★★★☆☆

注目試合の詳細

D世界ヘビー級王座戦、ノー・ホールズ・バード:クリスチャン(ch)vs.ランディ・オートン
 まずは打撃の応酬。クリスチャンがロープを使ってネック・ブリーカー。セカンド・ロープからフライング・エルボー。カウント1。オートンがカウンターの ショルダー・スルーから全身ストンピング。クリスチャンはロープにもたれさせると場外に飛び降り殴りつけようとする。オートンはかわすとロープで横にして のDDTを狙う。クリスチャンがカウンターでリバース・スープレックス。オートンがクリスチャンをフェンスにぶつける。実況席に乗りRKOを狙う。クリス チャンは逃れるとベルトを掴み観客席の中に逃亡。オートンが殴りつけリングまで戻す。
 10カウント・パンチ。突進。クリスチャンがかわすとオートンは鉄柱に肩から激突。クリスチャンが竹刀を持ち出してきてオートンに叩きつけていく。カウント2。オートンが反撃し丸め込み。カウント2。クリスチャンがカウンターでスパイン・バスター。カウント2。
 竹刀を取ってセカンド・ロープにのる。そこから飛んで叩きつけようとする。オートンがカウンターでドロップ・キック。クローズラインを連発しパワー・ス ラム。竹刀を手にして叩きつけようとする。クリスチャンがカウンターで蹴りをいれ飛ぶ。オートンがジャックナイフ固め。カウント2。オートンがカウンター でテーズ・プレス。逃げようとしたクリスチャンにロープを使ったDDTを狙う。クリスチャンがキル・スイッチを狙う。オートンがバック・ブリーカー。カウ ント2。パント・キックを狙う。察知したクリスチャンが場外に逃げ鉄柱に股間をぶつけようとする。オートンが引いて逆に鉄柱にぶつける。テーブルを取り出 しリングに入れる。もう1脚取り出す。クリスチャンがオートンをエプロンに腰からぶつけテーブルを場外に立てる。オートンがクリスチャンをテーブルに叩き つける。リングに戻りたてていないテーブルへのスーパープレックス。カバーするもカウントは2。テーブルをコーナーに立てかけぶつけようとする。クリス チャンが防ぎリバースDDT。コーナーで構えスピアーへ。オートンが跳躍してかわしRKOを狙う。クリスチャンが防いで場外に投げ捨てる。
 オートンが振り返し鉄階段にぶつける。エプロンに立てかけぶつけようとするもクリスチャンが逆にぶつける。モニターを手にしてそれを叩きつける。実況席にのせRKOを狙う。オートンが防いでRKOで実況席葬。
 何とかリングに戻るとRKOを狙う。クリスチャンがカウンターでキルスイッチ。しかしカウントは2。椅子を2脚持ってくる。コンチェアトを狙う様子。唾 を吐きかけ椅子を振りかぶる。オートンは寸前でかわすと椅子を叩きつける。エプロンに出たクリスチャンに突き立てると場外のテーブルに落下。鉄階段や竹刀 やゴミ箱をリングに入れる。クリスチャンをリングに戻す。クリスチャンの頭部を踏みつけて鉄階段の上に立つ。ストンピングへ。かわされるもコーナー・テー ブルへのパワー・スラム。竹刀を叩きつける。ロープに横にするとゴミ箱へのDDT。RKOアピール。クリスチャンが竹刀を叩きつける。セカンド・ロープに 乗り飛ぶ。オートンがカウンターで鉄階段へのRKOを決めカウント3!オートンが新チャンピオンに!
 
[Winner:ランディ・オートン(新チャンピオン!)(23:48)]

EWWE王座統一戦:ジョン・シナ(ch)vs.CMパンク(ch)
 組むとパンクがコーナーに押し込み離れる。パンクがヘッド・ロック。ロープに飛ばされショルダー・タックルからカバーもすぐ返される。シナがリスト・ ロックにいくも逃げられる。パンクがバックを取る。シナがグラウンド・ヘッド・ロック。ロープに振られショルダー・タックルからカバーもすぐ返される。仕 切りなおし。
 シナがリスト・ロックを取りチン・ロックへ。パンクがスピニング・ヒール・キック。カウント2。シナを起こすとニーを叩き込みロープに振る。キッチン・ シンク。カウント2。ボディ・シザース。シナがほどきSTFを狙う。パンクは蹴り飛ばすとエプロンに出たシナにリング内へのブレーン・バスターを狙う。シ ナも投げようとする。パンクがロープを使ったジョー・ブリーカー。三角飛びドロップ・キックで落とす。リングに戻ってきたシナをカバー。カウント2。ネッ ク・ロック。シナが食らいながらも起き上がる。腹にエルボーを食らいながらもスラムを決める。パンクのクローズラインをかわすとフライング・ショルダー・ タックル。もう1発狙う。パンクがカウンターでハイ・ニー。カウント2。パンクがコーナーのシナにハイ・ニーを狙う。シナがかわしフライング・ショル ダー・タックル。もう1発。プロト・ボムへ。パンクが首投げに切り返しハイ・ニー。ブルドッグへ。シナが耐えプロト・ボム。You can’t see meをやるためにかがむ。蹴りつけようとしてきたパンクの足を掴みSTFを狙う。パンクが慌ててフェイス・バスターからコウジ・クラッチ。シナが振りほど きSTF。パンクがアナコンダ・バイスに切り返す。両肩がつきカウントが数えられる。シナはカウント2で返すとSTF。パンクがロープに脚をかける。シナ が突進。パンクがカウンターでショルダー・スルー。トペ・スイシーダを決めるが自身もフェンスに激突。HHHがカウント9までカウントを数える。自らが下 りて両者をリングに戻す。
 両者立ち上がる。殴り合い。パンクがハイ・キックへ。シナがかわしAAを狙う。逃れてロープに走ったパンクにドロップ・キック。You can’t see meからファイブ・ナックル・シャッフル。AAへ。パンクがサンセット・フリップ。シナがカウント2で返しジャックナイフ固め。パンクがブリッジで起き上 がりハイ・キック。カウント2。パンクがGTSを狙う。シナが逃れコーナーに振りスプラッシュ。担いでスラム。カウント2。コーナー上へ。パンクがハイ・ ニーを叩き込む。セカンド・ロープから飛びつきブルドッグ。カウント2。スプリングボード式クローズラインへ。シナがかわしSTF。パンクがロープを掴 む。AAへ。パンクが逃れGTSを狙う。シナが逃れAA。カバーするもカウントは2。コーナーに上る。ダイビング・フェイマサーへ。パンクはかわして自爆 させるとGTS。膝を押さえながらもたれるようにカバーするがカウント2。コーナーに上り天を指差す。ダイビング・エルボー・ドロップ。カウント2。カウ ント2だったか、HHHに確認。シナを起こそうとする。シナがインサイド・クレイドル。カウント2。パンクがニー・ストライク。シナがパンクを殴りつけ蹴 り。殴りつけ吼える。パンクがソバット。ハイ・ニー。GTSを決めカバー。シナの脚がロープにかかっていたがHHHは死角で見えずカウント3!
[Winner:CMパンク(24:14)]
 シナがHHHに話しかけるもそのまま退場。HHHはパンクの腕を挙げてから去っていく。突然大男が入ってきてパンクにクローズライン。その男はケビン・ ナッシュ。退場しようとしていたHHHは唖然としながらリングに戻ってくる。ナッシュはパンクにジャックナイフを決めると去っていく。そこにデル・リオが 登場。MITBの権利を行使するといいゴングがなる。


試合結果

@コフィ・キングストン、ジョン・モリソン、レイ・ミステリオvs.ザ・ミズ、アルベルト・デル・リオ、Rトゥルース
Aシェーマスvs.マーク・ヘンリー(リングアウト)
Bディーバズ王座戦:ケリー・ケリー(ch)vs.べス・フェニックス
Cダニエル・ブライアンvs.ウェイド・バレット
D世界ヘビー級王座戦、ノー・ホールズ・バード:クリスチャン(ch)vs.ランディ・オートン(新チャンピオン!)
EWWE王座統一戦:ジョン・シナ(ch)vs.CMパンク(ch)