TOPアメリカン・プロレスWWE 2011年→WWE:Royal Rumble 1/30/11

WWE:Royal Rumble 1/30/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@世界ヘビー級王座戦:エッジ(ch)vs.ドルフ・ジグラー
 ジグラーは試合運びの定型を外さないものの相変わらずスポットの絶対値が低いですね。
 最近WWEは序盤にレスリングを許さない傾向がありますが、こういうレスラーにとってはマイナスですよ。
 エッジも印象不足ですがこちらは意図的ですね。
 柔軟に対応して一進一退を生み出すためで、スポットの低さ以上の盛り上がりを生み出している。
 終盤前の繊細な微調整にセンスが光りますね。
 終盤はダウン・ベースでゆったりしているものの
 軽妙な切り替えしとジグラーが緩急で切り込む事で退屈する事はありません。
 いつもと違いスピアーを温存してこれを成り立せている所にエッジの懐の深さが見えますね。
 終盤の中でステージをあげるベクトルが不足していたものの
 ヴィッキー+必殺技で1ステージ上のシーンを用意していたので問題なし。
 最後はエッジの顔芸から必殺技とはかくあるべしというお約束の盛り上げ、そして意味深なキル・スイッチで〆。
 WWEスターの構築とは離れている部分もあったが将来的にはWWEスタンダードも変えていかなければならないでしょうしね、
 ジグラーに1回トップ王座に挑戦させておくのは意味ある事だったし、それで内容も伴ったとなれば御の字です。
 中々良い試合。

AWWE王座戦:ザ・ミズ(ch)vs.ランディ・オートン
 序盤はオートンが攻め立てるもミズが何もせず退屈。
 受けで逃げるなり何かアクションを起こすべきです。
 一方でミズの支配シーンとなると一進一退が生まれます。
 しかし小さなレベルです。
 オートンの身のこなしに所々魅了されますが、独立していて試合上何の意味もありません。
 終盤。
 オートンのテーズ・プレスなどの持ち技からの逸脱が独創的で良いスポットながら、
 その次の打撃で自ら台無しにしているのは残念。
 全体的に総中盤化していましたね。
 前回の問題をそのまま引っ張ってテーブルという+要素がなくなる、という情けない内容です。
 平均レベル。

Bディーバズ王座戦:ナタリア(ch)vs.ミシェル・マクールvs.レイラvs.イヴ・トーレス
 レイクールの緩急の概念に縛られないクイッキーさは魅力的です。
 4ウェイとして場を俯瞰できている方です。
 しかしナタリアが良くない。
 視野が狭く、見得も不十分だったりと実に中途半端な状態で足を引っ張ります。
 イヴはムーブこそ綺麗だが普通に埋もれる。
 悪い試合。

C40マン・ロイヤル・ランブル
 試合前にNexu、Correが乱闘。
 良い筋書きです。
 ただしこれが活きてくるのは前振りとしてです。
 RRでこの2グループが出会ったのが1番手パンクX3番手ブライアンだけでは完全な宙ぶらり状態。
 そもそもCorreのビジョンが見えないのが問題で後々でも響いてきます。
 それは後述。

 さてパンク(1)とブライアン(2)からスタートです。
 ブライアンはレスリングによる流動的な動きを見せていましたね。
 しかし今回のRR最初に輝いたのはリーガル(5)でした。
 投げには円熟味があり、ストーリーある攻防で1分未満ながら濃厚な時間でした。
 一方で40人になった事で1分も担当出来ていないレスラーも見られますね。
 数を見せる必要はなくて1分をゆったり使うという選択肢もあり、決して不可能な要求ではないように思いますが・・・。
 デビアス(6)とか頑張りましょう。
 序盤で最も勿体無い使われ方をしたのがモリソン(7)。
 バリケードに飛びついて復活というドラマチックな動きに代表されるように、
 大勢が参加する中で俺を見ろ、とアピールできる素質があります。
 実際ファンの期待、一歩とどかない立ち位置もRRの権利とフィットしています。
 しかしいつも通り簡単に大きな受身を取ってしまっているな、と思っていた所でNexusの餌食になって脱落です。
 ここでNexusがリングに制圧する事は意味がありますが、モリソンは終盤に登場を移動させるべきでしたね。
 
 ハリス(13)が入った所でNexusの制圧シーンに突入。
 Superstarsレベルの相手を難なく落とすだけが続きますが、中々良い土台を作り上げています。
 パンクの類まれなポージング能力とNexusのメンバー構成の妙が光りました。
 ただマクギリキュティーは差別化が弱いですね。
 ハリスとセットで使ったり使い道はあるのですが、Nexus全員が同時参加した時は残念ながら余り価値がないですね。
 ここで良い期待感が生まれました。
 それは同時にどのタイミングで動かしどう終わらせるかが大きな影響を与えるという事でもあります。
 変化を起こす丁度良いタイミングでカリが登場。
 何だかんだいってこのでかさは大きいですね。
 レックス等がキレのある動きをした所で出せないものがあります。
 ただ膝の状態が悪いままなのでしょう。
 動きは悪かったですね。
 良い落ち方も出来ずメイソンに箔をつける事は出来ませんでした。
 (21)でブック登場。
 1分持たずに脱落しましたがこれぞWWEスターという盛り上げ方を見せました。
 1分ワークのひとつのお手本です。
  
 22番手でシナが登場しパンクXシナの主軸が実現です。
 空間の動き方が素晴しくNexusメンバーを一気に落としたのはアリです。
 ただメイソンがワン・オブ・ゼムで落とされたのはメイソン自体にとっては良くないですね。
 どうもNexusの中でメイソンが上手く機能するのか怪しい所です。
 パンクはスワグル(23)が出た後でシナに落とされ脱落。
 半分の時点でRaw最大の抗争が終結・・・。
 
 この後ファン・マッチ・モードに突入します。
 ただ地味にWWEが凄さを見せつけ退屈はしませんでした。
 スワグルはエンターテナーがシナとの連携は面白かったですね。
 技も全てが見せ場になっている点で今回のRRで最も効率の良い仕事です。  
 コフィ(26)は跳躍力が目を引きます。
 ある程度人気者ながら優勝の目はまったくないので落とされ役として見ると便利ですね。
 スワガー(27)はリアルな技術を余すところなく出し目立っていました。
 RRという形式において攻防で注目を奪うのは立派な事です。
 すぐに落とされたのが残念な活躍でした。
 シェイマス(28)、バレット(30)は抗争していたのですからシナとの絡みに特別性を持たせたかった所です。
 パンク脱落後シナが場の空気に合わせて埋もれていたので
 無理やりにでもリングの中心に引きずり出して競い合ってほしかったですね。
 協調性とエゴは共存しうるのですから。
 ジグラー(31)はスタイル上、活躍できないのは当たり前。ヴィッキーがついてくるべきです。
 ナッシュが(32)で登場。ここで重要なのは髪を染めてディーゼルとして登場した事です。
 8年ぶりではなく15年ぶりの復帰です。
 時代を超えた対決を生み出せる存在のはずなのです。
 ですから単なる巨体レスラーとして蹴散らしていくのは間違いです。
 一人一人との戦いを大切にするべきでした。
 ミステリオ(29)はディーゼルへの619は空気を読めていなさ過ぎ。指示されてもあそこは拒否しましょう。

 ビッグ・ショー(35)はCorreのストーリーがはっきりしないために割を食ってあっさり脱落。
 エゼキエル(36)が落とすのはかまわないですが、ガブリエル等も移してCorreという軍団でぶつかり印象を残すべきでした。
 そのエゼキエルですがシナとの絡みはまずまずでしたね。
 シナはバレットとも鉄板の攻防で盛り上げていました。
 ミズの介入によって脱落。
 長丁場上メリハリの強さが裏目に出た部分もありましたが、
 それでもないシナの価値が落とされた事で改めて思い知らされましたね。
 オートンが(39)、ケインが(40)です。
 ケインはミステリオによって素晴しい落とされ方をしましたが、その前にリングでやるべき事がありましたね。
 最後に残るバレットに対する価値上げをケインが行う事も出来たと思いますよ。
 デル・リオ(38)は1分経ってもリングにたどり着かない入場が素晴しい。
 今回のRR、全体的にリングに駆け込んでの入場が目立ちましたからね。
 デル・リオを見習えとは言わないが個々が入場での差別化をもう少し意識すると良かったですよ。
 そのデル・リオなんですがリングに入ってからはまったくアピール出来ていませんでしたね。
 RRという形式では単発で切り込む事が求められているのにそれが出来ていなかった。
 (38)という登場順、マレラという隠し玉は正解でした。
 
 総括としては意外に語る事はあるし、RRでありがちな停滞時間もなくマイナス面は少ない。
 しかし40マンにした価値はまったく無かったですね。
 Nexus、Correのメンバー人数を考慮してでしょうが、そのせいでライターが
 40人もいるのだからまんべんなく配置しても良いか、と楽した部分が少なくない。
 シナXNexusXCorreのクロスした絡みの演出は難しいでしょうがこれをやらずして何をやる、と言って良いほどのネタだったと思いますよ。
 中々良い試合。

総評
 新しい時代への舵取りをまた一歩進めており、クオリティもある。
 ただRRが他のコンセプトPPVと同格になってしまった印象を受ける。
 (執筆日:2/1/11)

DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

Cロイヤル・ランブル
 パンクが一番手。Correが登場しリングを取り囲む。パンクに殴りかかる。Nexusも登場し殴りあい。メールが届く。す ぐに下がらないと反則で脱落させるぞ、と言う。CorreもNexusも渋々下がる。2番手はブライアン。ブライアンがコーナーで宙返りして裏に回ると ネック・ブリーカー・ドロップ。担いで落とそうとする。パンクはロープを掴んで防ぐと場外に放り捨てようとする。ブライアンはエプロンに着地するとミサイ ル・キック。コーナーのパンクにドロップ・キックを狙うもかわされる。3番手ガブリエル。パンクに450°スプラッシュを狙うもかわされ自爆。ブライアン が場外へのバック・ドロップで落とす。4番手ライダー。ブライアンに打ち上げられるもその先にいたパンクにレッグ・ドロップ。アメドラがライダーを落と す。5番手リーガル。スープレックスを決めていく。パンクは完全にダウン。ブライアンとリーガルのアッパーカート打ち合い。ブライアンとパンクがリーガル にハイ・キックを打っていく。6番手デビアス。ブライアン、リーガルにドロップ・キック。ブライアンがリーガルの胸に蹴りを打ち込んでいく。7番手モリソ ン。動き回って蹴散らす。エプロンに出てリーガルに殴り飛ばされるもバリケードにしがみつく。呆然としているリーガルをデビアスが背後から落とす。モリソ ンは鉄階段に飛びつきリングに戻ってくる。

 8番手ヨシ・タツ。9番手ハリス。10番手チャボ。デビアスに3アミーゴを決めようとする。3発目 を邪魔してきたパンクに3アミーゴへ。3発目を邪魔してきたモリソンに3アミーゴへ。3発目を邪魔してきたブライアンに3アミーゴを決める。11番手ヘン リー。ヘンリーは飛び技を狙ったチャボを受け止め場外に落とす。ヨシ・タツも落とす。12番手JTG。13番手マクギリキュティーがJTGを落とす。ハリ スと協力してデビアスも落とす。14番手マスターズ。パンクにマスターロック。そのままエプロンに出し殴りつけるも落とすには至らず。15番手オタンガ。 Nexusがリングを制圧。パンクがブライアンを落とす。マスターズも落とす。モリソンも粘られるが落とす。ヘンリーも落としNexusのみの状況に。

  16番手レックス。数の差には勝てず落とされる。17番手コズロフも落とされる。Nexusは排除した後はアピールするばかりで軍団内で戦う気はまったく なし。18番手トゥルースも落とされる。19番手カリ。パンクはびびってメンバーの後ろに隠れる。カリがNexusを殴り倒していく。ハリスを落とす。 20番手ライアン。カリを落とす。21番手ブッカーT。オタンガにシザース・キック。マクギリキュティーにブック・エンド。スピン・ルーニー。パンクが落 とそうとする。ブックが体勢を入れ替えるもパンクは何とかエプロンでこらえる。メイソンがブックを落とす。

 22番手シナ。突進してきたメイソン をかわしすと同時にロープを下げて落とす。オタンガ、マクギリキュティーにダブル・クローズラインを決め落とす。パンクとにらみ合う。パンクがG2Sを狙 うもかわされる。同時クローズラインで相打ち。そこに23番手ホーンスワグル。パンクが蹴り倒す。パンクがシナを担いで落とそうとする。シナが逃れ担ぐと AAで場外に落とす。スワグルを起こして待ち受ける。

 24番手キッド。シナとスワグルが協力して攻める。シナがAA。スワグルもAA。25番手 スレイター。シナ、スワグルがスレイターに10シャッフル・ナックル。スワグルが続けておたまじゃくしスプラッシュ。シナがスレイターを落とす。26番手 コフィ。シナとコフィが正々堂々ロックアップから戦う。27番手スワガー。スワグルに詰め寄る。スワグルの背後からコフィがスプリングボードでクロス・ボ ディ。スワグルを踏み台にBoom!ドロップ。28番手シェイマス。スワグルがスイート・チン・ミュージック。シェイマスが怒ってスワグルをコーナー上に 載せる。シナがシェイマスにバック・ドロップを決めるもスワガーに殴り倒される。シェイマスが起き上がりスワグルを蹴り落とす。29番手ミステリオ。滑り 込んだミステリオにスワガーがガット・レンチ・パワー・ボムを狙う。ミステリオがヘッド・シザースに切り返す。619を狙うもシェイマスが横からラリアッ ト。コーナー上にのせるも殴られ下がる。スワガーがミステリオのいるコーナー上に駆け上がる。ミステリオは跳ね除け落とそうとする。エプロンにしがみつい たスワガーの背中に619を決め落とす。30番手バレット。コフィを担ぎ場外へのウェストランドを狙う。ミステリオが低空ドロップ・キックで救い出す。 31番手ジグラー。32番手ディーゼル。蹴散らしていく。33番手マッキンタイア。シェイマスとマッキンタイアが協力してディーゼルを殴り倒す。ミステリ オが振られたロープ先にいたディーゼルに619。34番手ライリー。ミズもついてくる。バレットがディーゼルを蹴り落とす。35番手ビッグ・ショー。退場 するナッシュと視線を交わす。ジグラーを落とす。マッキンタイアも落とす。36番手エゼキエル。ビッグ・ショーにタックル。場外に落とす。37番手マレ ラ。シェイマスにまず殴りかかる。次にエゼキエルに殴りかかるも利いていない。逃げようとした所をシェイマスが蹴り。エゼキエルがシナを落とそうとする。 38番手デル・リオ。ミステリオが待ち構えるがシェイマスに蹴り倒される。39番手オートン。まだリングにたどり着いていなかったデル・リオを殴り倒し鉄 階段にぶつける。リングにいれ自身もリングに入る。デル・リオにRKO。シェイマス、コフィにもRKO。コフィを落とす。シェイマスもクローズラインで落 とす。シナとオートンが向かい合う。組むかと思われた所でステージ火柱が立つ。

 最後はケイン。エゼキエルがケインにボディ・スラムを狙う。ケイ ンは逃れると突進してきたエゼキエルをかわすと同時にロープを下げて落とす。ケインが飛び技にきたミステリオの喉を掴みチョーク・スラムへ。ミステリオが 空中でトライアングル・チョークのような形に持っていく。そのままロープ際で回転しケインを落とす。バレットがすかさずエプロンのミステリオを殴り落と す。これでシナ、バレット、オートン、デル・リオの残り4人。オートンがデル・リオを担ぐ。シナがバレットにガット・レンチ・スープレックス。シナとオー トンが向かい合う。殴りあい。オートンがRKOを狙う。シナは押し飛ばすとAAを狙う。バレットが蹴り。シナがデル・リオにAA。ライリーがエプロンに上 がってくる。シナが殴り落とすもその背後からミズが駆け込みシナを落とす。ミズ、ライリーはすぐに逃げていく。シナは信じられない表情。残り3人。オート ンがまずバレットに蹴り。しかしここからバレット、デル・リオが協力してオートンを攻める形に。オートンが反撃しバレットにパワー・スラム。デル・リオに バック・ブリーカー。RKOポーズ。邪魔してきたバレットを落とす。すぐにデル・リオが背後につき落とす。デル・リオが優勝。マレラが入ってくる。コブラ のポーズ。デル・リオにコブラを決める。デル・リオを起こすと落とそうとする。デル・リオが体勢を入れ替え落とす。デル・リオが優勝。
[Winner:アルベルト・デル・リオ(70:00)]

試合結果

@世界ヘビー級王座戦:エッジ(ch)vs.ドルフ・ジグラー
AWWE王座戦:ザ・ミズ(ch)vs.ランディ・オートン
Bディーバズ王座戦:ナタリア(ch)vs.ミシェル・マクールvs.レイラvs.イヴ・トーレス(新チャンピオン!)
Cロイヤル・ランブル(優勝者:アルベルト・デル・リオ)