WWE:Extreme Rules 5/1/11の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | なし |
@ラスト・マン・スタンディング・マッチ:ランディ・オートンvs.CMパンク
全て特殊形式の大会であるが故に
必然的にラスト・マン・スタンディングの過激度は抑えられる。
だからこそ試合前に金具をむき出しにして
この試合の中で過激度の設定をするのは効果的です。
試合のスタートも良い。
パンクの最初のパンチによってオートンのパンチは補佐されているし、
オートンもパンクと抗争するようになってから考えて殴るようになってますから。
試合進行もダウン・ベースを上手く扱っている。
毎回カウントを要求するのではなく、
ダウン時間を考える時間として戦いの表現の中に活かしている。
オートンがベビーフェイスとしての戦い方を特殊形式に適用した、
クローズラインやパワー・スラムの織り交ぜも興味深い所です。
ただ終盤がいまひとつでしたね。
せっかく設定した金具へのぶつかり方は1回だけで緩かったし、
パンクのGTS後のロシアン・レッグ・スイープ押しも理解しかねる所でしたね。
GTSが凶器と組み合わせられない事情も分かるのですけど。
中々良い試合。
AUS王座戦、テーブル・マッチ:シェーマス(ch)vs.コフィ・キングストン
いきなり決着条件のテーブルを取り出すのはまずいですね。
シェーマスが受けて主導権を取り返す形が出来ているのでリアルタイムに意思を交わせるし、
様々な形でテーブルをトライする中危険な場所が増えて行くのも良い。
しかし結局1回しか決められない訳で、
その大切な一発が数を重ねすぎる内に価値を落として行くのです。
形式をゲーム的に考えるマインドはよした方が良い。
平均より少し上。
Bマイケル・コール、ジャック・スワガーvs.ジェリー・ロウラー、ジム・ロス
WMよりはましですね。
試合時間を絞った事である程度ブックで支配できますし、ぷちぷちアーマーは笑えるネタです。
しかし立場上温存されたJRは当然のごとく素人+老人ですから
爆発できず醜態を晒すだけでコールがびびる理由も分かりません。
顔面麻痺で表情で魅せれないのも痛いですね。
役割から考えるとブッカーTが務めたほうが良かったなぁ。
ひどい試合。
Cフォールズ・カウント・エニウェア:コーディ・ローデスvs.レイ・ミステリオ
前回に比べ格式が足りず早急にステージ、観客席へと移って行く。
バック・ステージでクルーザー級の攻防をするのは面白いが、
場所を移動して行くために制約を受ける所があり、
かといってハードコア・ルチャのように想像力が爆発して攻防が生まれる程には一致していない。
コーディが間を空けてのフィニッシュで形はついたものの
抗争決着戦としては形だけで勿体無い印象ですね。
試合の位置づけとしてはこれで良いのだろうけど
WMでコーディに感心した身としてはちょっと残念な内容。
まあまあ良い試合。
Dルーザー・リーブスWWE:ミシェル・マクールvs.レイラ
レイクールは移動の利点を理解した稀有なディーバであり、
今回もミシェルはそれを使おうとしていますがストーリーを奏でるには少々性急です。
展開ばかりで中身を語れず薄っぺらになっています。
またレイラは改心したけれどミシェルを追放したくないという
微妙な状況を演じようと変に感情的になっていて余り試合運びは冴えていませんでしたね。
悪い試合。
E世界ヘビー級王座戦、ラダー・マッチ:クリスチャンvs.アルベルト・デル・リオ
スムーズに試合を進める事は出来る。
ラダーも取り込む事が出来る。
しかしスケールは小さく、意味性も乏しい所がある。
残念ながらメインを奪えないファイトです。
デル・リオの腕攻めで落ち着く環境づくりも用意できず尻切れトンボです。
攻防に関してデル・リオの切り方が同じなのもロング・マッチを構築する上で問題な部分。
クリスチャンのスピアーもまた特別な技なのに流れは余り関係なくネタの域を抜け出せず。
せっかく機会が回ってきたにも関わらずエッジのパートナーと評すべきような小ぶりなファイトでした。
今後ECW王者時代のように相手の力を引き出していけるかが鍵ですね。
デル・リオに関してはちょっと辛い所。
現時点で魅力は出し切っているし、WWEと適合もしている。
CMLL時代の強みはスケール・メリットだったがWWEでは特別大きくない。
現状では今後の伸び白が余り分からない所です。
クリスチャンがようやく戴冠というドラマ性を考慮しても中々良い試合。
Fタッグ王座戦:ビッグ・ショー、ケイン(ch)vs.ウェイド・バレット、エゼキエル・ジャクソン
もし多少時間が予定よりおしたならこれがなくなったとしても驚かない。適当で語るべくもない。ひどすぎる試合。
GWWE王座戦、ケージ・マッチ:ザ・ミズ(ch)vs.ジョン・シナvs.ジョン・モリソン
難しい形式でしたが上手くこなしていましたね。
ミズは逃げるヘタレでありながら王者として格好もつけている。
モリソンとシナはダウン時間の差から上手く緩急ある攻防を演出しています。
ケージ脱出だけでなく通常の決着方法も採用されており、
リアルに考慮しなければいけない色々な要素が試合の戦いに反映されているのが良いですね。
ただ段階付けが物足りないですね。
3ウェイ・ケージという難題をこなすために早い段階で雪崩式技も出ますし、ケージ天辺での殴りあいも多すぎ。
トゥルース乱入前ややに詰まっていましたね。
中々良い試合。
総評
オープニング、両王座戦がどれも高いレベルに達している。
好勝負はなくともこれだとかなりしっかりした大会に仕上がりますね。
(執筆日:5/3/11)
DVD Rating:★★★☆☆
注目試合の詳細
なし試合結果
@ラスト・マン・スタンディング・マッチ:ランディ・オートンvs.CMパンクAUS王座戦、テーブル・マッチ:シェーマス(ch)vs.コフィ・キングストン(新チャンピオン!)
Bマイケル・コール、ジャック・スワガーvs.ジェリー・ロウラー、ジム・ロス
Cフォールズ・カウント・エニウェア:コーディ・ローデスvs.レイ・ミステリオ
Dルーザー・リーブスWWE:ミシェル・マクールvs.レイラ
E世界ヘビー級王座戦、ラダー・マッチ:クリスチャン(新チャンピオン!)vs.アルベルト・デル・リオ
Fタッグ王座戦:ビッグ・ショー、ケイン(ch)vs.ウェイド・バレット、エゼキエル・ジャクソン
GWWE王座戦、ケージ・マッチ:ザ・ミズ(ch)vs.ジョン・シナ(新チャンピオン!)vs.ジョン・モリソン