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PPV 名
ROH:8th Anniversary Show 2/13/10
ベ スト・マッチ
なし
グッ ド・マッチ
なし
レビュー
1枚、約2時間35分です。

@ブライアン・ケンドリック対ロデリック・ストロング
 ケンドリックはどぎついヒールこそ見せないものの
 無表情からの意表をついた反撃はスタイルとして安定している
 一方のストロングもハードなチョップと腰攻めで
 オープニングだからと言い訳しない重みのある試合に仕上げています。
 まあまあ良い試合。

Aブラヴァド・ブラザーズ対キングス・オブ・レスリング
 ブラヴァドズは使えないがKOWが技を見せるためだけの試合なので問題なし。

Bノー・ルールズ:エディ・キングストン、ネクロ・ブッチャー対エリック・スティーブンス、ジョーイ・ライアン
 終わりの見えないネクロ・シリーズ。
 余りの温さにセコンドのジプシー・ジョーが普通に参加できるのではないかと思う程です。
 場外への道連れスピアーとエプロンからテーブルへのパワー・ボム、
 この2つのスポットは過激だが温い乱戦である印象を変えはしない。
 悪い試合。

Cデイビー・リチャーズ対エル・ジェネリコ
 最初はリチャーズが余裕で対処するも
 カバナに鼓舞された事から奮起したジェネリコが圧倒。
 リチャーズが腕攻めで黙らせ、終盤へ、という内容。
 それぞれのシーンが決まりすぎていて要素の流動性、混合性が薄いのが残念ですし、
 腕攻めのようなサブミッションでは受けが発生せず
 蹴りの甚振り程には火薬を溜め込めない、ので
 腕攻めは腕への蹴りという形で実現させても良かったかもしれませんね。
 しかし各シーンごとのクオリティは高いです。
 特にファイティング・スピリットで打ち切りになりますが
 終盤前半の脇固めの攻防が型を超えた豊かなそれでかなり面白かったですね。
 グッド・マッチに少し届かず。

Dタッグ王座戦:ブリスコ・ブラザーズ(ch)対ダーク・シティ・ファイト・クラブ
 ブリスコズは考えすぎてリズムが悪いし、
 DCFCは気圧されて強さのイメージを失っている。
 後半、フェンスへのスピアーでジェイが孤立する展開や
 良いムーブ、スポットは一応揃っているがどれ1つとして試合の濁った本質を変えるには至らない。
 悪くない試合。
 試合後KOWが乱入。3チームで乱闘した後ブリスコズがダイブ。

Eケニー・キング対ラスチェ・ブラウン対スティーブ・コリノ対デリリウス
 コリノとキングがヒール同士組んで、
 キングとラスチェの間にちょっとした遺恨、
 デリリウスとラスチェの間に奇妙な友情って所でしょうかね。
 そんな人間関係はあるもののそれを見せるために
 途端に4コーナー・マッチかのようにしたりと体裁がまるで整っていません。
 レベルの低い内容でした。
 悪い試合。

Fグラッジ・マッチ:ケビン・スティーン対コルト・カバナ
 試合前カバナがスティーンを理解しようと歩み寄るもスティーンは拒絶し殴りかかります。
 パンチに気持ちはこもっていたけれども、
 殴り合いで作られる乱戦ではないので余り意味はない。
 一方で技も少ないので退屈ですね。
 試合部分はなくても構わない程ですがストーリーとしてはまあまあ良いのではないでしょうか。
 試合はスティーンが膝を痛めた所でコリノが登場し介入で終了。
 ジェネリコが現れコリノに椅子攻撃を狙うも、
 スティーンに立ちふさがれて振り下ろす事が出来ない。
 一方でスティーンは椅子を奪うと平然とジェネリコに椅子を叩きつける。
 
GROH王座戦:オースチン・エリーズ(ch)対タイラー・ブラック→詳細
 
エリーズの不意打ちから始め早い展開を見せます。
 エリーズはチープな戦略と自信過剰な攻めのバランスが良く、
 タイラーの怒りの攻め(相変わらず遺恨表現が苦手ですね)も試合の中で適切に組み込んでいます。
 また前回のフルタイム戦を彷彿とさせるプレイバック・シーンを織り交ぜて上手く構築していますね。
 基本的に素晴らしい攻防で王座交代劇にふさわしいレベルまで到達していたと思います。
 タイラーが王座を取った事で観客も大盛り上がりでしたね。

 問題はこの試合のセット・アップ、つまり3人の判定員が加わる状況についてです。
 上記でフルタイム戦を活かした構築を行ったと書きましたが
 不評の嵐であった苦い記憶とガラスの雰囲気を受けてかなり控えめに抑えられています。
 判定が行われる反則やリングアウトになりそうなシーンもありません。
 勿論それを予防する特殊ルールなのだけど
 そこを敢えてルールに向き合ってストーリーを豊かにしなければ只枠を狭めているだけで意味がありません。
 結局最後にタイラーが3人の審査員にスーパー・キックを打ち込んでこんなルールはクソ食らえだという答えを示します。
 それは確かにファンの意見を代弁しているようで爽快だけど、これまでの苦労を、長かった歩みの一部を否定している。
 好調なる時も、不調なる時も、失敗した時も、
 王座を求め、敬い、真心を尽くした結果、戴冠となったのなら祝福できる。
 しかしこれでは足踏みは何の糧にもならなかった事を認めているも同然です。
 実際そうだと思いますが、そこは虚勢でも意地を張って、嘘が真となるように努力していくべきです。
 それこそ他ならぬエリーズがそうだったのではないか。
 これではリンの前にタイラーに取らせるべきだったのだ、というもうどうにもならぬ過去への批判さえ再燃してくるのです。
 王座交代劇としての特別性を曇らせている。
 それ故グッド・マッチに少し届かず、という評価です。



総評。
 本来の形ではないもののオープニング、途中休憩前、メイン、と
 重要な位置にある試合で一定の成功を収め8周年という節目の大会を仕上げている。
 
(執筆日:5/20/09)
DVD Rating
☆☆☆


試合カード
勝敗付はこちら
1
ブライアン・ケンドリック対ロデリック・ストロング

ブラヴァド・ブラザーズ対キングス・オブ・レスリング

ノー・ルールズ:エディ・キングストン、ネクロ・ブッチャー対エリック・スティーブンス、ジョーイ・ライアン

デイビー・リチャーズ対エル・ジェネリコ

タッグ王座戦:ブリスコ・ブラザーズ(ch)対ダーク・シティ・ファイト・クラブ

ケニー・キング対ラスチェ・ブラウン対スティーブ・コリノ対デリリウス

グラッジ・マッチ:ケビン・スティーン対コルト・カバナ

ROH王座戦:オースチン・エリーズ(ch)対タイラー・ブラック→詳細


〜〜注:以下はネタバレ・ページ 〜〜 







試合レビュー:
 
ROH王座戦:オースチン・エリーズ(ch)対タイラー・ブラック

  エリーズが生意気なマイク・アピール。
  コルネットが引き分けでもDQでもカウントアウトでもジャッジが下るから注意しろと警告。
  エリーズが不意を突いてタイラーにローリング・エルボー。
  ゴングが鳴る。
  殴りつけコーナーで張り手。
  コーナーに振ろうとする。
  タイラーが振り返しショルダー・スルー。
  ロープに振りクローズラインへ。
  避けられたのでドロップ・キックへ。
  ロープに掴まって止まられたので一回転して着地。
  突進してきたエリーズを担ぐ。
  エリーズがもがいて逃れて背中を引っかく。
  タイラーは耐えると顔に張り手。
  エリーズはたまらず場外に逃れる。
  ストロングがエリーズにリングに戻るよう言う。
  タイラーはエリーズをエプロンに引き上げるとリング内へのブレーン・バスターへ。
  エリーズが着地しロープに走る。
  タイラーがカウンターでドロップ・キック。
  マウント・パンチ。
  カバー。カウント1。
  コーナーでチョップ。
  コーナーに振り突進。
  カウンターでショルダー・スルーを食らうもエプロンに着地。
  チョップを避けるとジャンピング・キック。
  スプリングボード式クローズラインでカバー。
  エリーズはカウント1で返すと場外に転がり出る。    
  リングに戻るもレフェリーを盾にしてタイムを要求。
  タイラーが組み付きヘッド・ロック。
  ロープに振られショルダー・タックル。
  カバー。カウント1。
  ハンマー・ロック。
  エリーズがヘッド・ロックに返す。
  ロープに振られショルダー・タックル。
  耐えたタイラーにスナップ・メア。
  ロープに走る。
  タイラーがリープ・フロッグからスナップ・メア。
  背中に蹴り。
  カバー。カウント2。
  ターン・バックルにぶつける。
  チョップ。
  エリーズが体勢を入れ替え胸に張り手。
  タイラーが体勢を入れ替えチョップを連打。
  ストンピング連打。
  エリーズは近づいてきたタイラーをコーナーにやるとショルダー・ブロック。
  コーナーに振ろうとする。
  振り返されるもコーナーを使って裏に回りコーナーに走る。
  セカンド・ロープからバック・エルボーへ。
  タイラーが受け止めバック・ドロップ。
  カバー。カウント2。
  喉を踏む。
  ジャンプして踏みつけようとする。
  エリーズが転がって避けエプロンに出る。
  近づいてきたタイラーにロープへのジョー・ブリーカー。
  ロープ越しに飛びセントーン。
  ロープに走りエルボー・ドロップへ。
  タイラーは転がってエプロンに出て自爆させる。
  ロープ越しに飛び回転けり。
  カバー。カウント2。
  崩れたエリーズを殴りつけストンピング。
  ボディ・スラム。
  喉を踏みつけるとジャンプして踏みつける。
  バックを取る。
  エリーズがバック・エルボー。
  タイラーは耐えると避けて担ぐ。
  エリーズがエルボーを入れサンセット・フリップへ。
  タイラーが潰す。カウント2。
  クローズラインへ。
  エリーズが避けバック・スライドを狙う。
  タイラーが逆にバック・スライド。
  エリーズがカウント2で返し頭部を蹴り上げようとする。
  タイラーはかわすとスクール・ボーイ。
  カウント2で返されるも頭部を蹴りつける。
  コーナーを使ってロール・アップ。
  エリーズがカウント2で返すとタイラーは鉄柱に肩からぶつかり転落。
  エリーズがコーナー上から場外のタイラーに飛びアックス。
  エプロンに寝かせると殴りつける。
  エプロンに顔から叩きつける。
  リングに戻るとロープ越しに飛び殴りつける。
  蹴りつける。
  エプロンに上がるとロープを使ったネック・ブリーカー。
  リングに戻しカバー。カウント2。
  背中にニー。
  背中にニー。
  ロープに走り背中を蹴りつける。
  カバー。
  カウント2で返されるや頭部にニーを入れていく。
  タイラーがすぐロープに逃れる。
  タイラーの両脚を掴んでコーナーから引き離すとボストン・クラブ。
  タイラーがロープを掴む。
  エリーズが喉に足を押し付ける。
  ネック・ブリーカー。
  カバー。カウント2。
  コーナーに上るとミサイル・キック。
  カバー。
  タイラーの足がロープにかかる。
  エリーズはその足にヒップ・ドロップ。
  タイラーがエリーズの腹にパンチ。
  エリーズは殴りつけるとスナップ・メア。
  足を掴んでのチン・ロック。
  後ろに引っ張り両肩をつける。カウント2。
  ショルダー・ロック。
  タイラーは起き上がると腹にパンチ。
  殴りつけるとロープに走る。
  エリーズが追いクローズラインで落とす。
  ロープ越しに飛び殴りつける。
  リングに戻す。
  コーナー上へ。
  タイラーが足を掴んでエプロンに引き摺り下ろす。
  エリーズはタイラーを殴りつけるとブレーン・バスターを狙う。
  タイラーはこらえるとエリーズを持ち上げようとする。
  エリーズはリングに着地するとタイラーを持ち上げてロープに渡しネック・ブリーカー。
  カバー。カウント2。
  コーナーに上る。
  タイラーがドロップ・キックでエリーズの体勢を崩す。
  コーナーに上ろうとする。
  エリーズが殴りつけ耳をはたく。
  場外へのスーパープレックスを狙う。
  タイラーが殴りつけリング内へのトップ・ロープからのスーパープレックス。
  そのまま起こしてパロキシズム。
  カバーするもカウントは2。
  殴りつけていく。
  チョップにフォア・アームズを打っていく。
  ターン・バックルにぶつけ蹴りつけていく。
  吼える。
  コーナーに振る。
  コーナーに振る。
  エリーズが一回転。
  エプロンに出たエリーズを殴りつけるとエリーズはフェンスにぶつかりその外に出る。
  タイラーがそこへのスプリングボード式ボディ・アタック。
  場外カウントが始まる。
  カウント10もいかない内にエリーズをリングにいれリングに戻す。
  起こそうとする。
  エリーズが抵抗。
  起こそうとするタイラーにリバース・スープレックスを決め場外に落とす。
  エプロンでタイラーを担ぐとデス・バレー・ドライバー。
  カウント10になった時にロープに走りトペ・スイシーダへ。
  タイラーはかわしてフェンスに激突させる。
  リングに戻しカバー。カウント2。
  パワー・ボムを狙う。
  エリーズがロープを掴んで10カウント・パンチに切り返す。
  噛み付く。
  タイラーは油断したエリーズを肩車するとドライバー。カウントは2。
  フェニックス・スプラッシュへ。
  エリーズはかわして自爆させる。
  エリーズはタイラーの頭部にニー。
  起こして殴りつける。
  タイラーも殴り返し殴り合い。
  エリーズがけりつけブレーン・バスターを狙う。
  タイラーはニーを入れて防ぐとコーナーに振ろうとする。
  エリーズが振り返してドロップ・キック。
  ブレーン・バスター。
  起こして2発目。
  カバーするもカウントは2。
  450°スプラッシュへ。
  タイラーは両膝を立てて迎撃するとすぐに丸め込み。カウントは2。
  エリーズが顔に張り手。
  タイラーも打ち返す。
  顔に張り手を打ち合う。
  チョップ。フォア・アームズを打ち合う。
  エリーズがローリング・エルボー。
  タイラーがペイレイ・キック。
  エリーズがロープにもたれるも頭部を蹴り上げる。
  ブレーン・バスターの体勢。
  タイラーがゴッド・ラスト・ギフトに切り返す。カウントは2。
  フェニックス・スプラッシュを狙うべくコーナー上へ。
  ケニーがエプロンに上がってくる。
  ストロングがエプロンに上がりケニーにジャンピング・キック。
  しかしその衝撃でタイラーは体勢を崩しリングに転落。
  ストロングはケニーを排除するためだと説明。
  タイラーはストロングにスーパー・キック。
  コルネットが何するんだとエプロンに上がる。
  タイラーはコルネットにもスーパー・キック。
  エリーズがタイラーの不意をついてオコーナー・ロールを狙う。
  タイラーはロープを掴んで防ぐとスーパー・キック。
  コーナーへのランニング・パワー・ボム。
  スーパー・キック。
  もう1発。
  フェニックス・スプラッシュを決め1,2,3!
  タイラーが新チャンピオンに!
  ベビーフェイス勢がリングに現れタイラーを祝福。
  ストロングが起き上がりリングに。
  タイラーへの王座挑戦を表明する。



勝 敗付試合カード(勝者が赤字)
1
ブライアン・ケンドリック対ロデリック・ストロング

ブラヴァド・ブラザーズ対キングス・オブ・レスリング

ノー・ルールズ:エディ・キングストン、ネクロ・ブッチャー対エリック・スティーブンス、ジョーイ・ライアン

デイビー・リチャーズ対エル・ジェネリコ

タッグ王座戦:ブリスコ・ブラザーズ(ch)対ダーク・シティ・ファイト・クラブ

ケニー・キング対ラスチェ・ブラウン対スティーブ・コリノ対デリリウス

グラッジ・マッチ:ケビン・スティーン対コルト・カバナ(DQ)

ROH王座戦:オースチン・エリーズ(ch)対タイラー・ブラック(新チャンピオン!)詳細

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