TOPアメリカン・プロレスDragon Gate USA →Dragon Gate USA:Open the Southern Gate 4/1/11

Dragon Gate USA:Open the Southern Gate 4/1/11の分析


名勝負 Pac、リコシェvs.チャック・テイラー、戸澤陽
好勝負 ジョニー・ガルガーノvs.CIMA

1枚、約2時間35分です。

@ブロディー・リーvs.ジョン・デイビス
 デイビスはダーク・シティ・ファイト・クラブの片割れ。
 体格がありリーを投げられるのでそれなりに盛り上がります。
 ブロディーはBWの介入援護もあり、
 単調な試合運びにならないよう意識が働いている。
 オープニングとしては悪くない試合。

Aブレークアウト・チャレンジ#1、4コーナー・マッチ:ジミー・レイブvs.リンセ・ドラドvs.シュガー・ダンカートンvs.カイル・マシューズ
 4コーナー・マッチながらルチャ・ルールを活かして
 すぐに4ウェイ状態にもつれこみます。
 ハイ・テンポでそれぞれが技をつないでいきます。
 ただ本当に1ムーブでつないでいってるだけなので
 あっさり終了という印象はどうしても残りますね。
 個で言えばドラドが余力を残しつつ他の一歩上をいく動きを見せ、
 無名のマシューズは途中までついていけたが最後で技の精度が落ちてしまっていた。
 平均レベル。

 試合後フェアプレイが現れレイブに、君は自分のお気に入りだ、と言う。

Bリッチ・スワンvs.サミ・カリハン
 序盤から飛ばしたスタートで
 エプロン、花道で上質なカウンター・スポットが披露されます。
 ぎりぎりでリングに戻ってきたスワンを
 カリハンがハードな攻めで追い込んでいくのが後半。
 アンダードッグ演じるスワンとの関係性が見事にはまっていて
 スワンが耐え凌ぎハード・チョップとハイ・フライ活かしてもう反撃した時は相当盛り上がってましたね。
 やたら唾が飛びすぎだがCZWが俺の所でもやりたいな、と思うであろう激しい内容。
 平均的な良試合です。

Cブレークアウト・チャレンジ#2、4コーナー・マッチ:エリック・キャノンvs.ARフォックスvs.ファサイドvs.シーマ・ザイオン
 先ほどよりも試合時間長め。
 要所では1ムーブで切り替えていく事はせず
 個の裁量が少し活かされる場面もあります。
 ファサイド、フォックス、シーマは少し不安定ながら
 流れに乗るという点に関しては概ね良好な仕事。
 中でも随一の安定感を誇ったキャノンが決勝に進出です。
 平均レベル。

D土井成樹vs.ジョン・モクスリー
 試合前にリーがモクスリーを襲撃。
 圧倒的なハンデをモクスリーが凌いでいく内容となっています。
 モクスリーはヒールなのでいまいち盛り上がりに欠けますが
 そうはいっても以前は受けで売っていた口ですからちゃんと試合は作り上げています。
 終盤は土井が細やかなアピールでの息抜きを挟みながらラッシュをかけましたが、
 そういう暑苦しさはいらない、あっさりと締めて良い内容だったかと。
 平均レベル。

Eジョニー・ガルガーノvs.CIMA
 相変わらず好調なガルガーノに対し、
 初めは遊んでいたCIMAも効率的に攻めるようになります。
 ガルガーノが独自の魅力、技のコンボを前面に押し出せば
 CIMAも負けていられるかとDGを代表するシングル・レスラーとしての深みを出してくる。
 過剰な表情を見得として使い、
 ここまで我慢できるか、と驚くほど動きを落とした間で動きに情感を加えました。
 カードから期待する化学反応がお互いの内面に起きた内容。
 ぎりぎり好勝負です。

Fブレークアウト・チャレンジ決勝:ジミー・レイブvs.エリック・キャノン
 先ほどのフェアプレイへの対応といい
 レイブのキャラが不鮮明なんですよね。
 エンバシーという強烈なギミックがなくなり只の物足りないレスラーとなってしまっています。
 決勝っぽい攻防はなくいつも通りのアンダーカードの装いの中エリックが勝利。
 これからエリックをプッシュしていく余地があるとも思えず行った意味合いを理解しかねる。
 平均レベル。
 
 試合後フェアプレイがエリックを侮辱しやられるハメに。

GPac、リコシェvs.チャック・テイラー、戸澤陽
 戸澤とPacが火花を散らし、
 IWA-MS時代のライバル、リコシェとテイラーが
双方の技を引き出す攻防を見せます。
 良い敵対関係ですがストーリーは双方のタッグ内部にもある。
 ドリーム・タッグと名づけられたリコシェとPacですが
 世界一のハイ・フライヤーは俺だという自負がそれぞれにあり、
 ここぞという要所で(この試合にはUnited Phillyのようなナンセンスな高難度技の垂れ流しはありません)張り合った技を見せます。
 そしてそれは技だけに留まらず、タッチせずルチャ・ルールで入れ替わる事で交代するという細部にまで表現されています。
 相手に棘のある方はPacですが、リコシェが有用な戦略を提示した際は、
 渋々ながらそれに乗っかっていく、というまったく水と油という訳ではない微妙な関係性が良いですね。
 一方の戸澤とテイラーのタッグ。
 戸澤はUnited Finale程のレベルでこそありませんが陰鬱且つハイ・テンションです。
 その一方でテイラーはあけすけで客いじりを含めた試合運び。
 今の最高の状態にある戸澤は客に見せるために気を吐いている訳ではないので実は正反対な訳ですね。
 しかしこちらは何となく通じる所があり、
 リコシェ、Pacと違い連携として不思議と成功していく、というカラーになっている。
 つまり本質は同じなのに否定して上手く回らないタッグと
 本質は違うのに表面的に同じで呼吸が合ってしまうタッグの対決なのです。
 更にはPacが流血するというアクシデントから、
 まさにこれが今のPacの目指すべき道とでも言うべき
 荒々しい凄み、怖さのあるPac像がこの試合の中で提示されています。
 スパドラ、TARO vs.AXPを髣髴とさせるような
 稀代のストーリー・テリングの中で個々の輝きと驚異的なムーブが引き出された試合。
 ぎりぎり名勝負です。

ハイライト、BW、モクスリーのビデオを収録。

総評
 ブレークアウト・チャレンジの存在価値は良く分からないが
 それはともかくとしてB、E、Gとキー・ポイントでDG USAならではのカードが大成功している。
 今年#1のタッグを見逃してはいけません。
 お勧めの大会です。
DVD Rating:★★★★☆
(執筆日:9/1/11)

注目試合の詳細

Eジョニー・ガルガーノvs.CIMA
 CIMAが握手を跳ね除ける。
 ガルガーノが股間を触って握手を求めれば
 CIMAは鼻クソをほじって応じようとする。
 試合開始。
 リスト・ロックをロープに逃げたCIMAが離れるガルガーノを蹴りでこづく。
 ガルガーノがフロント・ヘッド・ロック。
 振り切れないCIMAはロープに逃げる。
 ガルガーノがリスト・ロック。
 CIMAに足を踏まれるも耐えて逆に手を踏みつけたりしていく。
 CIMAが転がり蹴り飛ばす。
 殴りつける。
 ヘッド・ロック。
 ロープに振られショルダー・タックル。
 蹴り飛ばしアピール。
 胸に張り手。
 ガルガーノがカウンターでソバット。
 技をコンビネーションで決めネック・ブリーカー。
 アピール。
 ロープを使って踏みつける。
 ロープ越しに飛びボディ・プレス。
 CIMAのアピールをパクりSuck itのアピール。
 アブナミドル・ストレッチ。
 ロープに振りドロップ・キックへ。
 CIMAがかわし殴りつける。
 ロープに走り蹴り飛ばす。
 顔に手を押し当てる。
 顔を足でスクラッチ。
 ロープに押し当てるとリーがパンチ。
 場外に引きずり出すとエプロンにぶつける。
 土井と一緒になってガルガーノを持ち上げ股間から鉄柱にぶつける。
 リングに戻し顔に手を押し当てる。
 逆さまにして横に持ち上げサブミッション。
 ロープに絡ませロープに走る。
 ガルガーノがカウンターでロープ越しのスピアー。
 両者ダウン。
 ガルガーノが蹴りからローリング・クローズライン。
 ロープを使ったサブミッション。
 クローズラインをかわしリングに戻ると転がし蹴り。
 エース・クラッシャーにつなげるもカウント2。
 たまらず場外に出たCIMAにトペ・スイシーダ。
 エプロンからトペ・アトミコ。
 リングに戻しコーナー上へ。
 CIMAがヴィーナス。
 アイコノクラズム。カウント2。
 CIMAがサンセット・フリップから逃れダブル・ストンプ。
 セントーン、エルボー・ドロップと決めるもカウント2。
 ニー・ドロップもカウント2。
 レッグ・クラッチで投げようとする。
 ガルガーノは逃れると丸め込む。カウント2。
 延髄切りから担ぎコーナーにぶつける。
 スーパー・キックでカバー。カウント2。
 コーナーのCIMAに突進。
 CIMAがかわしハイ・キック。
 ダブル・ニーから肩車。
 前に落としてボム。カウント2。
 張り手を打ち合う。
 連打し合ってスーパー・キック相打ち。
 両者ダウン。
 張り手からパンチの打ち合い。
 CIMAがヘッド・バッド。
 もう1発。
 担ぐ。
 ガルガーノが逃れ必殺技を狙う。
 CIMAがシュバインを狙う。
 ガルガーノがユニークリー・ユーを決める。
 しかしCIMAが食らいながらも転がしシュバイン。
 両者ダウン。
 CIMAが先に起き上がり、左右の張り手。
 蹴りを受け止めるとレフェリーの目をセコンドに向けさせ股間を蹴り上げる。
 シュバイン。カウント2。
 シュバイン。
 首を殴りつけコーナー上。
 ダイビング・ダブル・ニー・ドロップでカウント3!
 CIMAの勝利!


GPac、リコシェvs.チャック・テイラー、戸澤陽
 Pac対戸澤で試合開始。
 バックの取り合い。
 戸澤が後頭部にエルボーをいれ黙らせる。
 ヘッド・ロック。
 ロープに振られショルダー・タックル。
 コーナーを使って裏に回ったPacにソバット。
 Pacはロープに走った戸澤を持ち上げソバット。
 ロープに走る。
 バイシクル・キックをかわすとノーザンライト。カウント2。
 戸澤は場外に逃れると挑発。
 リコシェがPacにタッチし一度控えで落ち着かせる。
 戸澤はテイラーにタッチ。
 テイラーがショルダー・タックルで倒す。
 リコシェが跳ね起きショルダー・タックルを打つも耐えられる。
 テイラーはもう1回売ってみろと指示。
 カウンターのクローズライン狙い。
 リコシェはかわすとフライング・ショルダー・タックルで倒す。
 様々な体勢からアーム・ドラッグを打っていく。
 テイラーが着地しロープを使ったアーム・ドラッグからの丸め込み。カウント2。
 リコシェが回りまわったヘッド・シザースで落とす。
 リコシェがダイブかと思いきやPacが入ってきてダイブ。
 呆気にとられたリコシェを戸澤が背後から襲撃。
 セントーン。カウント2。
 リコシェがコーナーに押し込む。
 張り手。
 エプロンにPacが戻ってくるがタッチしない。
 入れ替わる形で交代。
 戸澤がリコシェにソバット。
 戸澤とテイラーが交互にPacの喉を踏みつける。
 テイラーがPacをロープに振りドロップ・キック。
 戸澤をコーナーにのぼらせるとその脚にぶつける。
 戸澤はPacにクラバート。
 蹴り上げる。
 背中を蹴り。
 エルボーを打つ。
 Pacは耐えながら起き上がる。
 エルボーの打ち合いも戸澤がすぐに崩れ落ちる。
 Pacがボディ・スラムから場外に出る。
 リコシェがロープ越しにヒー路。
 戸澤が場外でPacに襲い掛かる。
 気を取られたリコシェにテイラーが背後から襲撃。
 戸澤がPacにヘッド・バッド。 
 テイラーは体勢を入れ替え丸め込む。カウント2。
 ヘッド・バッド。
 リコシェが脚を取り自陣へ。
 Pacがタッチせずリングに入る。
 Pacは流血している。
 戸澤を殴り落とす。
 2人でテイラーをロープに振りバック・エルボー。
 リコシェが四つんばいになり踏み台にして決めろ、という。
 Pacがしぶしぶしたがい飛ぶもかわされ自爆。
 テイラーがキャメル・クラッチ。
 戸澤がロープに走りスライディング・キックで合体。カウント2。
 リコシェが戸澤を持ち上げコーナーに叩きつける。
 喉に脚を押し当てる。
 入れ替わったPacが喉に脚を押し当てる。
 ブレーン・バスター。カウント2。
 リコシェが戸澤を転がしサブミッション。
 Pacがテイラーのカットを防ごうとする。
 テイラーは場外から手を出しカット。
 リコシェがスタンディング・ムーンサルと。カウント2。
 Pacはリコシェを押し出すとスタンディングSSP。テイラーがカット。
 Pacが戸澤を挑発。
 激しいエルボーの打ち合い。
 Pacが連打しロープに走る。
 戸澤がソバットから延髄切り。
 自陣へ。
 Pacが脚を掴んで倒す。
 リコシェが入りストンピング。
 Pacを四つんばいにさせると踏み台にSSPへ。
 戸澤は両膝を立ててカウンター。
 Pacにもセントーン。
 タッチしたエプロンのテイラーがリコシェにショルダー・ブロック。
 Pacにスプリングボード式ドロップ・キック。
 リコシェがソバット。
 テイラーがムーンサルとで裏に回りパワー・スラム。
 リコシェはたまらず場外へ。
 テイラー、戸澤はプランチャ、トペ・スイシーダ。
 リングに戻りトペ・コンヒーロ、トペ・スイシーダ。
 テイラーがPacをリングに戻しエルボー。
 コーナーにフル。
 Pacはコーナーを使って裏に回ると前転2回。
 突進をかわすとスプリングボード式クロス・ボディ。カウント2。
 ロープに振ろうとする。
 テイラーが防ぎ顔に脚を押し当て後ろに倒れる。
 チョーク・スラム。
 蹴り倒しカバー。リコシェがカット。
 戸澤がリコシェをコーナーに振り突進。
 ショルダー・スルーを食らうもエプロンに着地しターン・バックルにぶつける。
 スプリングボード式ヘッド・バッドへ。
 2発かわされるも3発目のカウンターを読みセントーン。
 コーナーに振りビッグ・ブーツへ。
 リコシェはかわすとコンプリート・ショット。
 スタンディング・ムーンサルと・セントーン。
 テイラーがカット。
 2人でテイラーをコーナーにフル。
 リコシェがPacに振るよう手を差し出すが、
 Pacは無視して突進。
 ショルダー・スルーを食らうもエプロンに着地。
 リコシェがテイラーにサマーそると。
 バック・エルボー。
 同時にPacが杯・キック。
 リコシェがカバー。カウント2。
 Pacはリコシェをぞんざいにほうるとコーナー上にのせる。
 リコシェが雪崩式ハリケーン・ラナ。
 Pacが見せ付けるようにスタンディング・コークスクリューSSP
 戸澤がカット。
 戸澤はリコシェにカウンターでショルダー・スルー。
 エプロンに着地しリコシェにビッグ・ブーツ。
 2人でPacをコーナーに振り気合を入れあう。
 Pacが戸澤にカウンターで蹴り。
 前転2回でクローズラインをかわす。
 テイラー、戸澤がPacに挟み撃ちスーパー・キック。
 戸澤がサイトウ・スーープレックスにつなげるもカウント2。
 コーナーのPacにバイシクル・キック。
 コーナーに振りもう1発狙う。
 Pacが受け止め押しやる。
 クローズラインへ。
 戸澤がかわしバックを取る。
 入ってきたテイラーにPacがエルボー。
 リコシェがテイラーにクローズラインを狙う。
 かわされ後ろのPac足りかけるも踏みとどまる。
 テイラーの攻撃をかわし延髄切りにいくもかわされPacに誤爆。
 それを受け戸澤がジャーマンに持っていく。
 リコシェがカット。
 テイラーがリコシェを担ぎスラム。カウント2。
 コーナー上にのせる。
 リコシェがテイラーを突き落とす。
 突進してきた戸澤を飛び越すとPacが戸澤を蹴り落とす。
 Pacがテイラーにボディ・スラム。
 リコシェがコーナーに上り630セントーン。
 Pacが続けてコークスクリューSSPにつなげカウント3!
 Pacが戸澤に眼を飛ばす。
 リコシェが間に入り押さえる。
 リコシェがPacを軽く突く。
 もうつきあってられないと先に退場。
 戸澤は明日は俺が勝利するとロープ越しに声をかけ退場。
 一人残ったPacがマイクを持ち締める。

試合結果

@ブロディー・リーvs.ジョン・デイビス
Aブレークアウト・チャレンジ#1、4コーナー・マッチ:ジミー・レイブvs.リンセ・ドラドvs.シュガー・ダンカートンvs.カイル・マシューズ
Bリッチ・スワンvs.サミ・カリハン
Cブレークアウト・チャレンジ#2、4コーナー・マッチ:エリック・キャノンvs.ARフォックスvs.ファサイドvs.シーマ・ザイオン
D土井成樹vs.ジョン・モクスリー
Eジョニー・ガルガーノvs.CIMA
Fブレークアウト・チャレンジ決勝:ジミー・レイブvs.エリック・キャノン(優勝!)
GPac、リコシェvs.チャック・テイラー、戸澤陽