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Classic Lucha:Best of Classic Lucha 1992の分析


名勝負 3本勝負:エル・ダンディvs.ネグロ・カサス(7/3/92)
好勝負 メキシカン・ナショナル・ミドル級王座戦、3本勝負:ブルー・パンテル(ch)vs.アンヘル・アステカ(AAA 9/4/92)

@3本勝負:シエン・カラス、マスカラ・アニョ2000、サングレ・チカナvs.コナン、ぺロ・アグアーヨ、ラジョ・デ・ハリスコJr.(CMLL 3/1/92)
 入場するなり場外乱戦。
 まったく収集がつかない程荒々しいですえ。

 コナンらが優位に立ち連携技を放ち、
 そこで終えるのかと思いきや再びの乱闘。

 珍しいことに観客席の中にまで入って
 観客席の上で仰向けダウンしていたりまでします。

 全然収まらないテンションは見応えあり。
 これが1本目だけに留まらず、最後まで続きます。

 逆に言えば時々ある乱戦だけの試合というと一言で表現できますが。

 その為試合の幅は狭く総合点として高く評価できませんが、
 その一要素に限れば中々のものです。

 中々良い試合。

A3本勝負:オクタゴンシート、ミステリオシート、マスカリータ・サグラダvs.エスペクトリート、ピラティータ・モーガン、ペケーニョ・ピエロ(CMLL 4/17/92)
 ミニの試合ですが、通常ルチャドールと全く変わらない
 試合展開、切り返しあい、ビッグ・スポットを放っていますね。

 中でもレジェンドのマスカリータのムーブには魅了されましたね。
 ルード側も下支えとして確かな働きをしました。

 一方でこれだけ才覚ある面々ですから、
 通常ルチャドールと同じような試合で終わらせず、
 終盤など特にもっと広げられる余力は残っていたはず。

 もっと全力を出させたかったですね。

 好勝負に届かずも中々良い試合。

B3本勝負:エル・ダンディvs.ネグロ・カサス(CMLL 7/3/92)
 1本目が絶品です。
 ルチャはそのスタイルからレスリングが様式的になる事が多い。
 ジャベの披露会であったり変化の妙であったり
 スピードに乗った心地よい攻防であったりします。
 この試合は珍しくリアルなレスリングが見られます。
 それを他ならぬカサスが見せてくれるとは思いませんでした。
 ここまでテクニックがあるのかと驚愕するレベルでした。
 ダンディは技術よりも圧力を前面に出して抵抗。
 積極的に密着レスリングに応じスポーツ的な戦い方となっています。
 こちらもここまで緊張感あるレスリングを見せるとは思いませんでしたよ。
 お互いの意思を交えた上で生まれる上質な一進一退の中フィニッシュ。
 1本目だけで14分半あり1本勝負といっても十分満足していたでしょう。
 2本目は王道通り短めで5分。
 ショルダー・スルーは基本的に自爆の合図、と
 共通認識のルールの下、攻防を繰り広げています。
 3本目でも要所に忠実に仕返しを織り込み、
 同じ技を敢えて連発することで激戦を演出。
 王道の理で試合を盛り上げていきます。
 その上でコーナー上からの飛び技で更に1ステージ上に行く。
 お見事です。
 文句なしに名勝負。
 (執筆日:?/?/12)

Cメキシカン・ナショナル・ミドル級王座戦:ブルー・パンテル(ch)vs.アンヘル・アステカ(AAA 9/4/92)
 アステカがいきなりドロップ・キックを放ちトペまで持って行きます。
 速攻を狙いに行くのは時々ある事ですけれども
 この試合は勢いそのままに攻めるアステカの攻撃をパンテルがカウント2で凌ぎます。
 素晴らしい受けですね。
 アステカの一方的な攻めにも関わらず、面白くぐいと目を惹きつけます。
 自由にロープ・ワークを重ねた後、ミサイル・キックでアステカが1本。
 2本目は体勢を入れ替えあいながら押え込みテンポ・アップ。
 アステカからは2-0で決めてやる、という気迫が伝わってきますね。
 パンテルがフライング・ヘッド・バッドを使って反撃。
 今度はアステカの受け身が素晴らしく盛り上がって2本目をフィニッシュ。
 3本目は最初からグラウンド・ジャベの攻防です。
 レスリング故にベースありながらスポット。
 ラブ・マシーン戦のようなハイ・テンポな戦い。
 流れを作る動きを連発していきます。
 特化している訳ではないがシンプルなレスリングが面白い内容。
 ここぞで決まるかどうかの見せ場に素晴らしいリアリティーがありました。
 ラブ・マシーン戦と同様、3本勝負の割りに短いのが残念な点。
 これなら1本にまとめても良かったのではと思います。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:?/?/12)

注目試合の詳細

B3本勝負:エル・ダンディvs.ネグロ・カサス(7/3/92)
 ダンディがコーナーに押し込み平手打ち。
 カサスが腕を取って倒す。
 ダンディが両肩をつけにいく。
 カサスが後ろに逃れ脚をたたむ。
 ダンディはロープに逃げながらも両足を取りに行く。
 カサスは返すも更に返されロープに逃げようとする。
 ダンディが弓矢固め。
 カサスがレッグ・ロック。
 転がそうとするもダンディが対応し両肩をつけにいく。
 カサスがブリッジで耐える。
 グラウンド・ヘッド・シザース。
 起きようとする。
 ダンディが脚をかけて倒す。
 カサスが体勢を変えアーム・ロック。
 ダンディが脚をかけて倒す。
 キャメル・クラッチ。
 カサスがロープに逃げると勢い余って両者場外転落。
 カサスが胸に張り手。
 ダンディが打ち返す。
 両者すぐにリングに戻る。
 カサスが突き倒し股裂き。
 ダンディがやり返す。
 逃げるカサスに決めなおす。
 カサスは食らいながらも顔を掴んで外させようとする。
 ダンディが脚を絡めてレッグDDT。
 カサスがロープに逃げる。
 ダンディが腕を取って倒し脇固め。
 カサスがのがれヘッド・ロック。
 首4の字。
 ダンディが裏返して逃れチン・ロック。
 後ろに引っ張りカベルナリア。
 カサスが腕を取る。
 ダンディが前転から取り返す。
 カサスが蹴り飛ばす。
 ダンディはその衝撃を利用してロープに走りニール・キックへ。
 カサスはかわしてドロップ・キック。カウント2。
 胸に蹴りを打ち込んでいく。
 ダンディが脚を掴んで倒しレッグ・ロック。
 起きたカサスを倒す。
 カサスが蹴り飛ばす。
 ダンディはロープに走ると股下を通り抜け延髄切り。
 カバー。カウント2。
 レッグ・ロック。
 カサスが下から張り手をいれ倒す。
 チョップを打ち込んでいく。
 ロープに振りショルダー・スルーを狙う。
 ダンディは着地するとチョップを打ち込んでいく。
 ロープに振ろうとする。
 耐えるカサスを蹴りつけロープに振ろうとする。
 振り返されるもショルダー・スルーを狙ったカサスにニー・ストライク。
 蹴りを食らうもパワー・スラム。カウント2。
 腕を取りラリアット。
 もう1発狙う。
 カサスがかわしチョーク・スラム。
 もう1発。
 ロープに振りスパイン・バスター。
 シャープ・シューターを決めギブ・アップさせる(14分半)!

 カサスがドロップ・キック。
 レッグ・ロック。
 コーナーに叩き付ける。
 もう1発。
 両腕を取って喉に足を押し付ける。
 レフェリーに見えないように股間を蹴りあげる。
 ショルダー・タックル。
 ロープに走る。
 ダンディがカウンターでバック・ブリーカー。
 ロープに振りスパイン・バスター。
 ドラゴン・スリーパー。
 カサスはロープに逃げ場外で間を置く。
 ダンディは戻ってきたカサスの腕を取り前に投げる。
 2回、3回。
 ダンディが体勢を入れ替えヒップ・トス。
 蹴りあげられるもそれを利用してロープに走る。
 ショルダー・スルーを狙ったカサスにドロップ・キック。
 振り返されるもショルダー・スルーを狙ったカサスにニー・ストライク。
 ロープに振りスパイン・バスター。
 脚をかけるとブリッジで固めてカウント3!
 これで1-1(5分)!

 笛が鳴るなりダンディがドロップ・キック。
 もう1発。
 エプロンで起き上がったカサスに3発目。
 コーナー上からダイビング・ボディ・アタック。
 カサスが先にリングに戻る。
 戻ってきたダンディの上にかぶさる。
 起こすとコーナー上にのせる。
 ダンディがヘッド・バッドで落としミサイル・キック。カウント2。
 コーナーに上り2発目。
 カサスが先に起き上がりエルボー・ドロップ。
 セントーン。カウント2。
 コーナー上にのせると雪崩式フロント・スープレックス。
 コーナーに上りダイビング・エルボー・ドロップ。カウント2。
 担いでコーナーに叩き付ける。
 逆さ吊りになったダンディにニー・ストライク。
 担いでレイザーズ・エッジ。カウントは2。
 ロープに走りラリアット。
 コーナーに上る。
 ダイビング・エルボー・ドロップ。カウント2。
 起こす。
 ダンディが不意をついてノーザンライト。
 カサスが先に起き上がり胸にニー。
 持ち上げてコーナー上に載せる。
 スーパープレックスを狙う。
 ダンディが逆に持ち上げフェイス・バスターで落とす。
 ダイビング・ダブル・アックス。
 ボディ・スラム。
 コーナーに上り背中にミサイル・キック。
 バック・ブリーカー。カウント2。
 パワー・ボム。カウント2。
 インサイド・クレイドル。カウント2。
 もう1発。カウント2。
 カサスがラリアット。
 ダンディがラリアットをかわすと倒してラ・マヒストラル。カウント3!
 ダンディの勝利(8分)!

試合結果

@3本勝負:シエン・カラス、マスカラ・アニョ2000、サングレ・チカナvs.コナン、ぺロ・アグアーヨ、ラジョ・デ・ハリスコJr.(2-0)(CMLL 3/1/92)
A3本勝負:オクタゴンシート、ミステリオシート、マスカリータ・サグラダvs.エスペクトリート、ピラティータ・モーガン、ペケーニョ・ピエロ(2-1)(CMLL 4/17/92)
B3本勝負:エル・ダンディvs.ネグロ・カサス(2-1)(7/3/92)
Cメキシカン・ナショナル・ミドル級王座戦、3本勝負:ブルー・パンテル(ch)vs.アンヘル・アステカ(2-1)(AAA 9/4/92)