TOP日本のプロレスNoah 2010年代の大会 →Noah:Best of Noah 2013 part.1

Noah:Best of Noah 2013 part.1の分析


名勝負 なし
好勝負 GHC王座戦:KENTA(ch)vs.杉浦貴(5/12/13)

@Jrヘビー級王座戦:近藤修司(ch)vs.石森太二(1/27/13)
 石森が序盤の仕掛けで意気込みを見せます。
 良いスタートでしたが近藤の攻撃に早々にぐったりダウン・モード。
 近藤がパワフルなレスラーとはいえ相手を過剰に立てすぎ。
 そのせいで攻防が止まりつまらなくなっている。
 この狙いでいくならダウン時も相手を見据えて
 抵抗なりで気概を見せ付けてドラマ性に昇華しなければいけないし、
 ダウン・スタイルにおいては緩急のつけ方をもっと適切に行わなければいけない。
 終盤においても近藤が過激技ばかりで、
 石森の対応も同じという中単調さが目立ちました。
 良い試合だが、クオリティは延びずいまいち。
 平均的な良試合。

AGHC王座戦:森嶋猛(ch)vs.KENTA(1/27/13)
 エルボーを打ち合うも様式的にしないという
 Noahの王道でいくのか過去を振り切るのかはっきりしない立ち上がり。
 森嶋の不意打ちバック・ドロップ狙いも効果を発揮せず
 前後の脈絡がつながっていません。
 KENTAは蹴りに加えてエルボーを取り入れていますが
 そのせいで蹴りの位置づけが良く分からないことになっています。
 森嶋が優位に立った後は、
 場外ボディ・スラムから形式的にKENTAへの声援を徐々に大きくし、
 教科書的にサブミッションを入れながらの試合進行。
 KENTAがロープに走ってフライングの拳を入れながら反撃と
 中盤はNoahとしては珍しい程、形式的を強く意識した構築です。
 一方でNoahならではハード・バンプによる実体性が感じられず。
 こういう上手さなら他の団体がもっとスマートにやっている訳でねぇ。
 一応KENTAの場外へのダイビング・ダブル・ストンプという過激なスポットもあるが
 それによるダメージよりも特別なスポットによってKENTA自らもダメージを負う意味づけがこの試合では大きい。
 そうなるとこんな過激なスポットである必要があるのか、と堂々巡り。
 森嶋がここから腰攻めを打つも腰に狙いをつけているだけで
 それで仕留める気概が感じられず試合としては
 せっかくのビッグ・スポット後なのに足踏みしていましたね。
 KENTAのGTSの一撃性を手放し、
 それでいながら森嶋のバック・ドロップ3連発に対するゲーム・オーバー切り返しによる
 一発フィニッシュを最後に持ってきたのも馬鹿げていて意味不明。
 王座交代劇のフィニッシュではないですね。
 ようやくのKENTA王座戴冠も良い展望を抱かせることはできなかった。
 中々良い試合。
 (執筆日:3/2/13)

BGHC王座戦:KENTA(ch)vs.マイバッハ谷口(3/10/13)
 KENTAがゴング鳴るなり突っかかります。
 相手より体格の小ささを感じさせない打撃の打ち方です。
 軍の中で上だったことを表現できていますね。
 ただ打撃の打ち合い時間は長すぎ。
 谷口は受け手としてなんらイメージを持っていないからもあるでしょうね。
 反撃のタイミングは良くパワー・スラムからKENTAを甚振ります。
 場外戦はKENTAの荒っぽさも見せるという意味で正解。
 10分経過まで想像以上に中身が詰まっています。
 色々な技を配置してより大きく攻防を広げます。
 レフェリーを使ったりテーブルを使ったりと
 谷口の戦略が上手く試合の攻防に活かされていますね。
 KENTAのターンを余り作らない方が良い、と思ってしまう程
 谷口のターンはドラマチックでした。
 予想を超えて素晴らしい試合でした。
 好勝負に少し届かず。

C小橋建太引退試合:小橋建太、佐々木健介、武藤敬司、秋山準vs.KENTA、潮崎豪、マイバッハ谷口、金丸義信(5/11/13)
 健介、武藤、秋山はあくまで小橋のパートナー。
 華のある技、そして小橋との連携技をばら撒くぐらいで
 小橋をあくまで中心に据えます。
 小橋は一通り技を受け、そしてスーパープレックスを決めれるぐらいにはコンディションを整えてきましたね。
 ただディティールを加えるリアクションや
 幹を太くする揺らぎ無さは流石になかった。
 そうなると小橋に対する相手が重要になってきます。
 まずKENTAですが同じGHC王者として向かうには厳しいですね。
 体格差が壁として立ちふさがっている上、
 KENTA自身も相手に絶対性を要求せざるをえないファイトに囚われていた。
 また生意気なキャラを出していますが、
 小橋に対してそういう感情を抱いていないことは明らかで
 こういう試合においては普通にリアルに基づいても良かった。
 金丸、マイバッハはヒール要素を持ち寄り貢献。
 特にマイバッハはサスマタ攻撃で分かりやすかったし、
 またマスクで表情が見えにくいことが逆にメリットとなり
 レジェンドの受け手として先んじて機能していました。
 後は潮崎。
 相変わらずチョップの意味づけは飛びぬけていて
 健介との再戦がほぼ実現しえなくなったことが残念でなりません。
 40分近くのボリュームある一戦。
 前回の復帰戦のような上手い構成がある訳ではなく
 単純な足し算に近い形ですがテンションが下がるシーンもなく概ね成功といえる。
 中々良い試合。
 (執筆日:5/?/13)

DGHC王座戦:KENTA(ch)vs.杉浦貴(5/12/13)
 静止図にも力を入れて動かなくしているレスリングです。
 エルボーを打たれても微動だにしないようにする受けで打ち合い。
 どちらも見応えがあるものの各シーンの移行には違和感があります。
 杉浦が頭部に張り手をかましてKENTAをダウンさせると再びヘッド・ロック。
 気迫のこもった表情で魅せます。
 打撃ベースのシーンを多層で組み込み変化つけながら韻付け。
 打撃の絶対性に頼っているが故に他の技種の絶対性の無さが目立つのが玉に瑕。
 杉浦がエプロンのKENTAにスピアー、
 KENTAが柵超え場外ダウンの杉浦にダイビング・ダブル・ストンプ、と
 異常だが馬鹿げた領域のスポットを行った後、KENTAが全力疾走のコンボ。
 サブミッションを切り返す動きの技術は凄いと思うものの
 それによるリセットが利いていないのが残念ですね。
 本当にさっきの異常なスポットが必要だったか、首を傾げてしまいます。
 最後までハードすぎる打ち込みを続け、
 打撃を受けながらのサブミッション返しも加えていました。
 打撃に抑揚やかわしの要素があってこそ光るものがあります。
 それまで盲目的に受けていた中で切り返されても微妙だし、
 最後のGTS3発絡めたエンディングも中々持って馬鹿げています。
 2013年で最も過激な一戦でしたが、ぎりぎり好勝負程度としか評価できない。
 (執筆日:7/?/13)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@Jrヘビー級王座戦:近藤修司(ch)vs.石森太二(新チャンピオン!)(1/27/13)
AGHC王座戦:森嶋猛(ch)vs.KENTA(新チャンピオン!)(1/27/13)
BGHC王座戦:KENTA(ch)vs.マイバッハ谷口(3/10/13)
C小橋建太引退試合:小橋建太、佐々木健介、武藤敬司、秋山準vs.KENTA、潮崎豪、マイバッハ谷口、金丸義信(5/11/13)
DGHC王座戦:KENTA(ch)vs.杉浦貴(5/12/13)