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ARSION:Best of ARSION Part.1の分析


名勝負 なし
好勝負 クイーン・オブ・アルシオン王座戦:吉田万里子(ch)vs.矢樹広弓(2/18/99)

クイーン・オブ・アルシオン王座戦:吉田万里子(ch)vs.二上美紀子(4/14/99)

@ツインスター・オブ・アルシオン王座戦:矢樹広弓、玉田凛映(ch)vs.大向美智子、府川唯未(12/18/98)
 まずは場外乱闘から連携技へ。
 定番の良い流れですが挑戦者組に甘い部分がありますね。
 王者に主導権が渡る前後では流れのスムーズさに違いがある。
 府川が孤立する展開ですが
 府川はテクニカルなサブミッションへの切り返しで
 どんな状況でも容易にリセットできるので
 捕まっているという印象は受けません。
 その分一進一退の攻防で観客を魅入らせていますね。
 それなら別に府川がでずっばりではなく
 大向にもう少しタッチしても良い気はしますが・・・。
 終盤は王者組がリードしながら
 連携技連発で大いに盛り上げました。
 好勝負に少し届かず。

A初代クイーン・オブ・アルシオン王座戦:吉田万里子vs.キャンディー奥津(12/18/98)
 まずはリアルな素早さでもってレスリング。
 その小競り合いから技につなげます。
 しかしその技も主導権を握るには至らない。
 面白いやり取りですが下手すれば小さくなる危険性があります。
 しかし吉田のテクニック、奥津のインパクトでそうはならない。
 そうはさせない。
 中盤は奥津が盤石な攻めで追い込んでいきます。
 吉田はテクニカルなサブミッションに拘りすぎに思えますね。
 例え技術があってもプロレスの性質上カウンターに見えてしまうので
 他の技種とのバランスが歪です。
 奥津が良いアピールで風格を感じさせていただけに
 初代王座戦に求められる同格っぽさに足りずドラマ性が今一歩。
 しかしレベルは高いですね。
 ちなみにARSIONの98年ベスト・バウトに選ばれています。
 好勝負に少し届かず。

Bクイーン・オブ・アルシオン王座戦:吉田万里子(ch)vs.矢樹広弓(2/18/99)
 まずは、いつでも大技が飛び出すことを示して
 スリリングな状況を演出します。
 グラウンドは抑え込む意図が強く、
 相手のレベルに追いつかなければ潰される状況でしたが
 それぞれ相手の要求に応えて、
 どちらの技術も光る結果となっています。
 サブミッションの威力に関する表現もできている。
 また抵抗という要素が強いことで
 カウンターっぽいサブミッションを能動的に多用することが可能になっており
 特に矢樹にとって王座戦のレベルを行う上で大きな手助けとなっています。
 華麗ではないが情熱の交錯故美しい攻防でした。
 ぎりぎり好勝負。

Cクイーン・オブ・アルシオン王座戦:吉田万里子(ch)vs.二上美紀子(4/14/99)
 技をかける呼気、技に対する意識。
 ARSION特有のアスリート的感覚から来る
 簡単に譲れないものがその攻防の裏にある。
 その結果として、より大技かけるために削り合うという
 プロレスの王道の構成が明確に生まれてきている。
 また両者のテクニカルなサブミッションが上手く試合を進行していますね。
 これなら観客を見ずとも、観客は自ら試合に注目せずにはいられない。
 サブミッションで応援のレベルを変えると終盤へ。
 気合で起き上がるシーンにスター・パワーの弱さは感じるものの
 技量を尽くした攻防には最後まで感心しました。
 ARSIONのベスト・マッチでしょう。
 文句なしに好勝負。

Dトーナメント1回戦:府川唯未vs.吉田万里子(5/4/99)
 吉田がテクニックは勿論として
 幅広く魅せれるのに対し、
 府川は腕へのサブミッション一辺倒。
 動き自体は綺麗だし、
 絶対王者に食いつこうというがむしゃら感が出ていて
 魅力的な試合にはなっているが
 府川のポテンシャルを考えると
 やや小さくまとまってしまった印象はぬぐえない。
 中々良い試合。

Eクイーン・オブ・アルシオン王座戦:吉田万里子(ch)vs.アジャ・コング(8/6/99)
 (カットあり)
 アジャは吉田のレスリング・ムーブについていけるものの
 受け身としての小子気味良さまではないから
 他のアルシオン・レスラーのように吉田の攻めの動き自体を光らせることはできていない。
 しかし、その分攻略しがいのある選手にはなれる。
 ぎりぎりのライン下で悉く吉田の反撃を潰してくる。
 吉田は腕にテーピングしているというハンデもあり、
 エースvs.外敵の構図としてはこれ以上ないですね。
 クライマックスの吉田の粘りに大きな声援が巻き起こっていました。
 ただAJWスターのアジャを前にすると吉田のエースという立ち位置が揺らぐのが問題。
 吉田が敗北するというブックを描きながら
 その中でああやっぱり駄目だったか、という
 後味を残す以上のものには後一歩届かなかった印象です。
 好勝負に少し届かず。

F準決勝:吉田万里子vs.ライオネス飛鳥(7/17/01)
 飛鳥は経験、力があるので
 現役バリバリの吉田のスピードでも攻めきれていませんね。
 同世代対決と比べると膠着状態が多いですが
 そのレスリングは見所があります。
 飛鳥が意表を突いた低空ドロップ・キックから先手を取り
 ハード・ヒッティングなラフ・ファイト。
 分かりやすいスタイル・クラッシュで吉田のテクニックも映えます。
 それぞれカウント2も許さないと意地を張って
 エースvs.外敵の構図も崩さない。
 終盤技がそろそろ尽きるなという絶妙のタイミングで
 場外テーブル葬を挟んできた飛鳥の間隔には驚きましたね。
 ただこれでもう一盛り上がりと思いきや
 それで吉田が力尽きたのはちょっと拍子抜け。
 好勝負に少し届かず。
 
G中西百恵vs.AKINO(5/11/02)
 グラウンド中心にしながら
 適度に一進一退の攻防を繰り広げています。
 AKINOの荒っぽさ、中西のハイ・フライという色合いも出ているし、
 特筆すべきことはなくとも王道の内容といえるでしょう。
 教科書通りに進めながら長時間に仕上げるために緩急もつけている。
 ただ中西が腰攻めで追い込まれていたにも関わらず暴れまわるのは少々解せない。
 まあクライマックスはAKINOが膝を負傷した事情がありましたけどね。
 後半にかけては勢いで誤魔化した印象も受ける。
 28分のロング・マッチでした。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

(執筆日:8/14/12)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ツインスター・オブ・アルシオン王座戦:矢樹広弓、玉田凛映(ch)vs.大向美智子、府川唯未(12/18/98)
A初代クイーン・オブ・アルシオン王座戦:吉田万里子(初代チャンピオン!)vs.キャンディー奥津(12/18/98)
Bクイーン・オブ・アルシオン王座戦:吉田万里子(ch)vs.矢樹広弓(2/18/99)
Cクイーン・オブ・アルシオン王座戦:吉田万里子(ch)vs.二上美紀子(4/14/99)
Dトーナメント1回戦:府川唯未vs.吉田万里子(5/4/99)
Eクイーン・オブ・アルシオン王座戦:吉田万里子(ch)vs.アジャ・コング(新チャンピオン!)(8/6/99)
F準決勝:吉田万里子vs.ライオネス飛鳥(7/17/01)
G中西百恵vs.AKINO(5/11/02)