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Lucha:Santo vs. Casas seriesの分析


名勝負 マスカラ・コントラ・カベジェラ:ネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント(9/19/97)
好勝負 マスカラ・コントラ・カベジェラ、3本勝負:エル・イホ・デル・サントvs.ネグロ・カサス(WWA 7/18/87)

UWA世界ウェルター級王座戦、3本勝負:エル・イホ・デル・サント(ch)vs.ネグロ・カサス(WWA 5/17/91)

@マスカラ・コントラ・カベジェラ、3本勝負:エル・イホ・デル・サントvs.ネグロ・カサス(WWA 7/18/87)
 序盤は1ムーブで仕切り様式を取ります。
 軽く盛り立てるもダイブにまでは手を出さず電光石火のラ・マヒストラルでフィニッシュ。
 2本目はカサスがルード・プレイ。
 浮かぶような受けで大きく、大きく見せます。
 ロメロ・スペシャルで1−1に追いつきます。
 物凄い盛り上がりの中で3本目。
 80年代故まだ手法的には改良の余地があるが、
 ジャベとして見せるサブミッション、鉄柱、マスク引き裂きで盛り上げていきます。
 そして普通にやっているように見えますが、絶妙の揺れ動きの一進一退からダイブ。
 ただサントにはキャメル・クラッチが残っているのにカサスはラ・マヒストラルを消費済みという状況な上、
 実際にクライマックスはカサスが防御一辺倒になっているので
 勝負への興味の惹き方は弱く、英雄は当然勝たなければならない、という見せ方だったのが個人的にはいまいち。
 まだまだそれぞれの力は伸びる余地があるし、密接に絡まる可能性が残っていますが、
 ショーをスティールしてやるぞ、この場は俺たちのものだ、という
 若者特有の、必ずしも裏打ちがないのだが強烈な主張性、バイタリティーを感じさせる内容です。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:9/24/10)

AUWA世界ウェルター級王座戦、3本勝負:ネグロ・カサス(ch)vs.エル・イホ・デル・サント(UWA 3/1/91)
 序盤からめまぐるしく入れ替わり、
 サントの定番ヘッド・シザースで更に加速。
 スピード感ある演舞からカサスがラ・マヒストラルを決め1本です。
 2本目。
 グラウンドで一度落ち着かせてから
 サントがブルドッグ→背にのってのアーム・ドラッグ、と
 素晴らしい流れの作り方からキャメル・クラッチ。
 特異的なことをやっている訳ではないが、
 それぞれの理想形を見せて押し切る形で3本目への期待感が膨らみます。
 3本目。
 再び密なグラウンド。
 1,2本目が功を奏しており、
 サントはロメロ・スペシャル、カサスはドロップ・キック、
 これを決めれば自分の流れに入れることを念頭に置きながら攻防。
 詰め将棋的な素晴らしい攻防でしたね。
 ただ、いきなりシャープ・シューターという外れ技でフィニッシュしてきたのは頂けない。
 その最後の最後の手段、考えに至るには鬩ぎあいきれていない。
 好勝負に少し届かず。

BUWA世界ウェルター級王座戦、3本勝負:エル・イホ・デル・サント(ch)vs.ネグロ・カサス(WWA 5/17/91)
 ゆったりとグラウンド。
 ただ回転のクイックネスはトップ・レベルで
 回転運動に引き込まれるように倒す様は美しい。
 定番のグラウンド・ヘッド・シザースが遂に決まったという所で一気に加速。
 普通ならそこでフィニッシュまで持って行くところを
 一度リセットしてカサスの不意打ちにつなげる余裕がにくい。
 技を引き立てる受身と次の技を誘発する受けが両立した
 素晴らしい攻防の連鎖でフィニッシュ。
 2本目も密なグラウンド。
 カサスが正確無比のドロップ・キックを叩き込み、
 死角からの股間蹴り→シャープ・シューターで取り返します。
 3本目。
 グラウンドの鬩ぎあい。
 2本目までの流れを受けて荒々しく、
 強引なサブミッションも飛び出します。
 熱のある攻防でしたが、レフェリーの制止を聞かないのでDQというエンディングは微妙すぎる。
 それでも好勝負と呼ぶに値する充実の一戦。
 ぎりぎり好勝負です。

C3本勝負:エル・イホ・デル・サントvs.ネグロ・カサス(UWA 9/19/91)

D3本勝負:エル・イホ・デル・サントvs.ネグロ・カサス(UWA 1/5/92? 1/11/92?)
 1本目はグラウンド。
 サントがバック・ドロップからのロメロ・スペシャルで瞬殺です。
 意表を突いた出だしとはいえ、ちょっとこれは呆気ない。
 2本目。
 グラウンドをベースとして位置づけている訳でもなく戦いの筋が安定しません。
 カサスが荒っぽく腰をせめてラ・マヒストラルでフィニッシュ。
 3本目。
 ここでもグラウンドのシーンが出てきますが、
 サントの一方的なアピールにしかなっていないのが残念。
 サントがトペを決め、ここから充実の攻防が待っているかと思いきや、それで両リン。
 全体的にはまっていない内容で期待を下回り続けた。
 平均より少し上。

E3本勝負:エル・イホ・デル・サントvs.ネグロ・カサス(UWA 10/28/94)

F3本勝負:エル・イホ・デル・サントvs.ネグロ・カサス(CMLL 9/29/95)
 細かい攻防と焦 らしでじわじわと盛り上げながら一気に爆発させる、
 サントvs.カサスの定番にしてハイ・クオリティな展開が繰り広げられます。
 フィニッシュが2本目、サントが禁止技の場外へのサンセット・フリップ・パワー・ボムを打つ、というものなので
 完全にTo be continued仕様ですが
 それはそれで完成度は高いです。
 平均的な良試合。
 (執筆日:?/?/09)

G3本勝負:エル・イホ・デル・サントvs.ネグロ・カサス(CMLL LA 11/25/95)
 このカードならいつも通りやっても良かったと思うんですけど
 ルチャ・リブレが受け入れられるか心配だったのでしょうね。
 最初のグラウンドが様子見で集中力が分散していたり
 中盤辺りでバック・ドロップやネック・ブリーカーといった普段使わない技も見られます。
 また実質1本勝負、アメリカ向き(やや時代遅れな気もするが)のフィニッシュになっています。
 そのため確立されていた型は崩れ流れが少し悪くなっていますね。
 この2人なの でメインとして成立させてはいますが
 数え歌としては期待外れに終わっています。
 まあまあ良い試合。

HNWA世界ウェルター級王座トーナメント、3本勝負:エル・イホ・デル・サントvs.ネグロ・カサス(CMLL 12/1/95)

Iネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント(World Wrestling Peace Festival 6/1/96)
 サントのスナップを利かせたレスリング・ムーブが美しいですね。
 カサスもそれに対し上手い受けを見せリズムを落としません。
 中盤は両者相手の頭部に激しい打撃を繰り出しヒート・アップします。
 いつもの3本勝負の内の1本目だけを取り出したような時間設定にブッカーをうらみますが
 カサスXサントというルチャ史上最高の遺恨を見せてくれた2人には只々感謝するばかりです。
 まあまあ良い試合。
 (執筆日:8/1/11)

JGP1回戦:ネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント(CMLL 7/5/96)

Kネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント(CMLL 63th Anniversary 9/20/96)

Lネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント(CMLL Japan 2/6/97)

Mマスカラ・コントラ・カベジェラ:ネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント(9/19/97)
 10年かけて培養してきた憎しみと技術が爆発。
 序盤は緊張感を持った立ち上がり。
 前回と同じ行動で仕切っていますが動きが若さに頼ったものではなく磨きぬかれたそれである事は一目見ただけで分かります。
 カサスが激しい気持ちを裏に出して蹴り。
 サントは脚への攻撃に対してかなり大げさな表現をこなします。
 一方で途中から頭部への打撃が解禁となり両者容赦なく打ち込んで行く。
 表現性と絶対性のダブル・ラインでとてつもない世界が出来上がります。
 一度ノー・コンテストになるのではと思うぐらいドロドロのつかみ合いをした後は、
 一発一発に全力を注ぎ込んで魅せていきます。
 そしてそれが何でもないかのように相手を殺しに行く。
 北斗X神取のように遺恨というものがエベレストの天辺まで上り詰めた試合です。
 歴史的な名勝負。
 (執筆日:9/24/10)

Nレイエンダ・デ・プラタ決勝、3本勝負:ネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント(10/6/00)
カサスのベテランとは思えぬキレと
 サントの特別な敏捷性が融合。
 遺恨の揮発を張り手合戦の一瞬に詰め込みます。
 セコンドのごたごたを長々と映して熱が冷めかけるも
 サントが97年ばりのえげつない打撃モードに突入。
 異常な遺恨戦にヒート・アップします。
 サントのキャメル・クラッチ未遂から攻防を紡ぎ上げ上質の攻防。
 最後のラ・マヒストラルがぎりぎり返したように見えて、
 決勝としてはすっきりしないものもあるが、
 このカードなら仕方ない部分もあるでしょう。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

O3本勝負:ネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント(6/8/01)

 (執筆日:3/14/13)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@マスカラ・コントラ・カベジェラ、3本勝負:エル・イホ・デル・サントvs.ネグロ・カサス(WWA 7/18/87)
AUWA世界ウェルター級王座戦、3本勝負:ネグロ・カサス(ch)vs.エル・イホ・デル・サント(UWA 3/1/91)
BUWA世界ウェルター級王座戦、3本勝負:エル・イホ・デル・サント(ch)vs.ネグロ・カサス(2-1)(DQ)(WWA 5/17/91)
C3本勝負:エル・イホ・デル・サントvs.ネグロ・カサス(UWA 9/19/91)
D3本勝負:エル・イホ・デル・サントvs.ネグロ・カサス(1-1)(両者リングアウト)(UWA 1/5/92? 1/11/92?)
E3本勝負:エル・イホ・デル・サントvs.ネグロ・カサス(UWA 10/28/94)
F3本勝負:エル・イホ・デル・サントvs.ネグロ・カサス(DQ)(2-1)(CMLL 9/29/95)
G3本勝負:エル・イホ・デル・サントvs.ネグロ・カサス(CMLL LA 11/25/95)
HNWA世界ウェルター級王座トーナメント、3本勝負:エル・イホ・デル・サントvs.ネグロ・カサス(2-1)(CMLL 12/1/95)
HNWA世界ウェルター級王座トーナメント、3本勝負:エル・イホ・デル・サントvs.ネグロ・カサス(2-1)(CMLL 12/1/95)
Iネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント(World Wrestling Peace Festival 6/1/96)
JGP1回戦:ネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント(CMLL 7/5/96)
K3本勝負:ネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント(CMLL 63th Anniversary 9/20/96)
Lネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント(CMLL Japan 2/6/97)
Mマスカラ・コントラ・カベジェラ:ネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント(2-1)(9/19/97)
Nレイエンダ・デ・プラタ決勝、3本勝負:ネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント(2-1)(10/6/00)
O3本勝負:ネグロ・カサスvs.エル・イホ・デル・サント(6/8/01)