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全日本プロレス/Noah:Misawa vs. Kobashi Seriesの分析


名勝負 CC公式戦:三沢光晴vs.小橋健太(全日本プロレス 3/31/96)
 
三冠王座戦:小橋健太(ch)vs.三沢光晴(全日本プロレス 1/20/97)
好勝負 CC公式戦:三沢光晴vs.小橋健太(全日本プロレス 4/12/93)

三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.小橋健太(全日本プロレス 10/25/95)

@小橋健太vs.タイガー・マスクII(全日本プロレス 3/6/90)
  最初に気心の知れた者同士ならではの攻防を
 速いペースで見せたのは良かったですね。
 その後の小橋の脚攻めに利いてきますから。
 終盤もタイガーによる構築が素晴らしい。
 小橋の勝ちを意識させるし、
 また技の使い方がジャストで、尚且つ持って行き方が上手い。
 この時点では小橋のシングルで一番良いんじゃないでしょうか。
 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:1/?/09)

ACC公式戦:三沢光晴vs.小橋健太(全日本プロレス 4/5/91)
 出だしはドロップ・キックの打ち合い。
 三沢上回るかと思いきや一進一退にもつれこませて
 小橋の勢いを上手く演出していますね。

 試合の構成自体はメリハリが利いて素晴らしいものの
 戦いとしての変転としては中盤は少し意図に欠ける所があったか。

 しかしレスリング自体は力を感じるし。
 動き出しの攻防作りも意識されています。

 場外スポットから加速していく全力ファイト。
 この頃から既に四天王プロレスの後継はあって、
 13分という試合時間で両者の可能なクオリティの最上を見たしました。

 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:5/?/21)

BCC公式戦:三沢光晴vs.小橋健太(全日本プロレス 4/12/93)
 ベース・ラインが前回から更に向上していますね。
 緊張感、重厚感が出てきました。

 小橋が不意打ちしてジャーマンにプランチャを放ちますが、
 飛ばした後の調整も上手くなり
 前回の攻めの連関性の問題もクリアされています。

 一方で三沢の方は腰の痛みの表現とはいえ
 サブミッション主体で少し動きに物足りなさがありましたね。

 それでもそれを補う程、小橋がエネルギッシュ。
 やはり1993年の小橋は特別です。

 その小橋が少しスポット・ラッシュになって
 終盤のクオリティ・メイクで失速を見せた所で
 今度は三沢が主導して試合を作っていきます。

 終盤の見せ方は流石でしたね。
 疲労感とギア・アップを上手く両立させており唸りました。
 小橋のアンダードッグ性も活かされました。

 完全に噛み合った所までは行っていませんが、
 三沢vs.小橋の他にない独自性はこの試合で生まれました。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:5/?/21)

CCC公式戦:三沢光晴vs.小橋健太(全日本プロレス 3/27/94)
※三沢の怪我で小橋の不戦勝

DCC公式戦:三沢光晴vs.小橋健太(全日本プロレス 3/26/95)
 小橋がロープに押し込むと首への袈裟斬り連発。
 ハードではあるもののその仕掛けも活かされずリセット。

 小橋に限らず三沢もスポット自体は印象的なのですが、
 使い方はあまり意図なく試合として形になりきらない感あり。

 打撃戦は壮絶でベース・ラインは高いし、
 間違えた行動をしている訳でもないので悪い試合ではないんですけどね。

 CCだからと軽くしている感じでもないですしね。

 他の数え歌の試合からすると不思議な程低調でした。

 平均的な良試合。
 (執筆日:5/?/21)

E三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.小橋健太(全日本プロレス 10/25/95)
 小橋が早々にラリアットを放ち、
 ブレーン・バスターの状態から落としたりと
 意表を突く形で意気込みを表現しています。

 更に場外パワー・ボムと押せ押せ。
 一度間を置かれるも今度は腕攻め。
 
 三沢が反撃を抑え受けに回るので
 偏ったバランスでまったりとした印象を助長させますが、
 小橋が体力を奪う戦略性をスリーパー使いで見せ 
 三沢もぎりぎりのラインをしっかり見極めてしぶとさを表現しています。

 今度は完全に三沢ペース。
 小橋がダウン・モードの中で素晴らしい受け身。
 反撃も冴えわたり、2発目のムーンサルトの
 アクシデンタルなスポットも素晴らしかった。

 一方で上記が小橋の勝てそうな最後の場面だったか。
 その後は小橋が驚異的なタフさを見せるものの
 何とか一矢は報いて欲しい、という見え方。

 小橋をまだ三沢に及ばぬ形で描くなら
 試合時間はもう少し絞っても良かったですね。

 最後はえげつないタイガー・ドライバーでフィニッシュ。

 文句なしに好勝負です。
 (執筆日:3/?/21)

FCC公式戦:三沢光晴vs.小橋健太(全日本プロレス 3/31/96)
 三沢がフライング・エルボーに
 不意を突いたジャーマン、エルボー・スイシーダ、と美しい伸びやかな動き。
 
 動かれたら小橋劣性ということを
 端的に強く印象付けていますね。

 小橋も執拗なヘッド・ロックに腹/腰攻めで
 明確な展開付でストーリーを奏でます。

 三沢も小橋の攻撃性を引き出していく
 素晴らしい受けっぷりでしたね。

 小橋の攻め比率が異常に高いにも関わらず
 均衡感があり、目が離せない攻防になっています。

 緩急利かせつつ、スポットは最大値、
 2人の関係性も感じさせる期待通りのクライマックス。
 惜しむらくはフィニッシャーが
 ダイビング・ネック・ブリーカー・ドロップというのが
 やや納得感に欠ける点くらいか。 
 
 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:5/?/20)

G三冠王座戦:小橋健太(ch)vs.三沢光晴(全日本プロレス 1/20/97)
 今回は試合経過と共にコメントしていきましょう。
 ・・・
 (試合開始)
 今回はいきなり危険な投げでスタートなんてせず。
 エルボー・スイシーダとタイガー・ドライバーを狙っただけに収まりま したね。
 あれって四天王プロレスの場合、ある程度の必然性を持っているのだけ れど
 リアル・タイムで追っかけていない立場の私としたら
 その必然性が試合外から持ってこられるのは隙じゃないんですよ。
 良いスタートです。
 ・・・
 四天王プロレスってシステムとして
 かなりのレベルまで耐えて良いので
 より小刻みに技でリズム、流れを作れるのが強みですね。
 ・・・
 (5分過ぎ) 
 小橋が腹攻めを始めました。
 結構早めに出してきましたね。
 普通なら中盤に出る物ですけど。
 ・・・
 (10分過ぎ)
 三沢がセカンド・ロープからのドロップ・キックにツイストを加えたり
 打撃の打ち合いにビッグ・ブーツが混じっていたりと
 特別な試合になる雰囲気が漂ってきましたよ。
 ・・・
 (15分辺り)
 三沢はエプロンからのエルボー・アタックが避けられ柵に激突。
 ここから腕攻めですね。
 ・・・
 (25分経過)
 ここまでずっと腕攻めが続いていますよ。
 尋常じゃない執拗さ。
 しかも特筆すべきは三沢のエルボーの威力が落ちているという表現をし ています。
 こんな事ありましたか。
 いつもなら腕攻めを食らっても痛みに耐えながら打つだけだったのに今 回は違う。
 反撃において右腕を使いたくない、
 しかし使わなければ勝てないんじゃないか、という悩みまで含んでいる。
 四天王プロレスと正統派プロレスが
 最高の形で入り混じった物が見られる予感がします。
 ・・・
 (25分過ぎ)
 小橋のラリアットを放った腕に三沢がエルボーを打ち小橋の腕もウィー ク・ポイントに設定されました。
 これで両者とも得意技を放つには
 自分の身を削らなければならない訳で
 必然的に死闘ムードになっていきますね。
 ・・・
 (30分経過)
 気合で解決するのではなく
 腕のダメージによりカバーにいけないという理屈で大技が飛び交う形に。
 四天王プロレスの中でも最上に位置する素晴らしい死闘になっています。
 ・・・
 (35分くらい)
 四天王プロレスなんてジャンル分けされるようなものを超えて
 97年の1月20日小橋vs.三沢という1つの独立した領域に辿り着いて いる。
 ・・・
 (40分経過)
 タイガー・ドライバー91がカウント2で返される。
 理屈じゃないね。
 理屈を超えたよ。
 語弊があるかもしれないが
 三沢は小橋を殺しても良いと思っている。
 そして小橋も三沢に殺されても良いと思っているんだ。
 あぁ、2人は抱き合う代わりに闘っている。
 ・・・
 (42分6秒試合終了)
 涙が出てきた。

 ここにあるのは・・・

 キリストが死を覚悟しながら処刑台へ歩み続けたように・・・

 どうしようもなく圧倒的で・・・

 どうしようもなく巨大な・・・

 業に向かって敢然と立ち向かっていく人の姿だ。

 この上なく悲しくて・・・
 そしてこの上なく崇高で・・・
 人を魅了して止まない美しい人の姿だ。

 歴史的な名勝負。
 (執筆日:1/?/09)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@小橋健太vs.タイガー・マスクII(全日本プロレス 3/6/90)
ACC公式戦:三沢光晴vs.小橋健太(全日本プロレス 4/5/91)
BCC公式戦:三沢光晴vs.小橋健太(全日本プロレス 4/12/93)
CCC公式戦:三沢光晴vs.小橋健太(全日本プロレス 3/27/94)
DCC公式戦:三沢光晴vs.小橋健太(全日本プロレス 3/26/95)
E三冠王座戦:三沢光晴(ch)vs.小橋健太(全日本プロレス 10/25/95)
FCC公式戦:三沢光晴vs.小橋健太(全日本プロレス 3/31/96)
G三冠王座戦:小橋健太(ch)vs.三沢光晴(新チャンピオン!)(全日本プロレス 1/20/97)