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WWE:Cena vs. Punk Seriesの分析


名勝負 WWE王座戦(シナは負ければ首):ジョン・シナ(ch)vs.CMパンク(Money in the Bank 7/17/11)
好勝負 WWE王座戦:CMパンク(ch)vs.ジョン・シナ(Night of Champions 9/16/12)

#1コンテンダーズ・マッチ:ジョン・シナ(co)vs.CMパンク(Raw 2/25/13)

@ジョン・シナvs.CMパンク(RAW 11/23/09)
 シナが受けつつも譲れないラインを引いていて
 鋭い動きでブルドッグを決めてもう少しでカウント3だったな、と挑発する。
 見事な表現です。
 しかしながら問題はそういう表現の後の試合構成がシナには出来ていないという事。
 パンクは間を使いながら攻めて安定していますが、
 何もかにもに間を置いているので緩急に乏しくなっています。
 必殺技絡みの攻防は親和性の高さを感じさせるもので良かった物の
 基本的に一級スポットの配置、CMカットの場所など構成のまずさで台無しになっている内容。
 最後は雪崩式AAで派手に締めました。
 平均レベル。

ASotYトーナメント1回戦:ジョン・シナvs.CMパンク(12/14/09)
 速攻で必殺技の攻防に突入。1回戦だからって1分で終わるとかないね。
 (執筆日:3/10/13)

Bジョン・シナvs.CMパンク(Raw 6/7/10)
 SES時マスク姿のパンクとの対戦。
 パンクが打撃をしっかり積み重ねており、
 シナのダメージ観の特性を掴んでいることを伺わせます。
 しかしここではあくまで引き立て役。
 セコンドの介入で展開を作り自身の技はほとんど使わず、
 大枠だけの典型的試合で満足しています。
 何せ最後にはNexusの衝撃デビューが控えているのですから仕方ないといえば仕方ない。
 平均レベル。
 (執筆日:3/10/13)

Cジョン・シナvs.CMパンク(Raw 1/17/11)
 シナに速攻させるとろくな事がありません。
 ブルドッグ、拳、アイリッシュ・ウィップ。
 どれもパワフルなムーブでしたが組み合わせが滅茶苦茶。
 その一方で一発の蹴り上げでダウンします。
 攻守のメリハリはシナの武器の一つだが、
 これはかけ離れすぎていて繋がりは完全に千切れている。
 また反撃のフライング・ショルダー・タックルのシークエンスも不適当なタイミングです。
 パンクもAA逃れてのカウンターに選んだレッグ・ラリアットを見るに 線の細さが足を引っ張っている所がある。
 シナのAAやパンクのハイ・ニーが出てもう終わるのかと思いきやそこからの攻防が結構あります。
 必殺技を頂点とした構図を1試合分ちゃんとやるか、
 必殺技以外の技に必殺技相当の価値を置く世界観設定をしないと通用しないので、
 この試合においては蛇足でしかないが後の三部作の成功を予感させるものではある。
 ひどい試合ながら最後の決着は見物。
 メイソン・ライアンが登場しパンクを蹴り倒しDQ判定、
 試合後それがニュー・ネクサス入りへのイニシエーションだった事が判明します。
 パンクが常軌を逸したキャラを表情豊かに演じ、
 スーパースターとしてシナの格に前回より迫っている事を証明しました。

Dジョン・シナvs.CMパンク(Raw 2/7/11)
 シナがいきなりダウン・モードに入り、
 最後はシナがレフェリーの制止を無視して、わざとロー・ブローを放つ。
 そんな5分ぐらいしかない試合です。
 それもあってかシナがほとんど役割を持っておらず
 パンクが単独で試合の大よそを指揮しています。
 前回よりシナにダメージ観を近づけている事と
 キャラを取り入れて間を調整するようになってきている所に向上が見られますね。
  悪い試合。

Eジョン・シナvs.CMパンク(Raw 2/14/11)
 CMの都合上シナがいきなり鉄柱に激突して中盤になるのには少々辟易しますが、
 試合自体は遂にこれまでの布石が一集して結実している。
 中盤以降は見事です。
 パンクは密着レスリング、蹴りを上手く組み合わせて試合を進行。
 Aで苦言を呈したAAを防いでのレッグ・ラリアットも
 前回より間を空けない、そのスピード感によって成立しています。 
 シナも一体となってガットレンチ・パワー・ボムなど効果的な技を提案し、
 攻防がどんどん積みあがっていっていきます。
 最後はリング下からNexusが凶器差し入れる形でしたが
 それだけが浮かず終盤の攻防の流れの中にあったのは秀逸でした。
 8分の試合としては高いレベルにあります。
 まあまあ良い試合。

FCMパンクvs.ジョン・シナ(House Show 2/23/11)
 接触前にパンクが間で盛り上げた後、
 シナがダイナミックな受けと受身を披露。
 パンク支配の展開の中で一進一退を行なえていますが、
 この繰り返しの中での試合の高め方はまだ改善の余地がありますね
 しかしAAを防いでからのボリュームある終盤の作り方は素晴らしく ハウス・ショーとは思えないレフェリー気絶、乱入による演出もある。
 また、最後は雪崩式AAでフィニッシュでした。
 平均的な良試合。

GCMパンクvs.ジョン・シナ(Raw 6/13/11)
 必殺技を逃れる動きはテンポが良い。
 同時に表情も効果的で技の前後に挟んで豊かに表現している。
 WWEでは珍しいアブナミドル・ストレッチも見せ場になっています。
 パンクがプランチャ、ダイビング・ダブル・アックスを決め主導権を掴みます。
 通常のCMカット割と異なるのが興味深かったですね。
 シナがフライング・ショルダー・タックルをかわされ場外転落した場面は
 リングアウトの可能性を感じさせるに十分で、
 他も細かい技でじっくりした見せ場を作り上げています。
 しかしシナがフライング・ショルダー・タックルを決めた所で
 トゥルースが登場してシナの注意を引き唐突な幕引き。
 フライング・ショルダー・タックルは大きな流れを生み出しますが、
 ここだけ切り分けると唐突過ぎる印象しかない。
 最後で落としたが、まあまあ良い試合。

HWWE王座戦(シナは負ければ首):ジョン・シナ(ch)vs.CMパンク(Money in the Bank 7/17/11)
 今大会非常に観客の盛り上がりが良かったですね。
 その理由はこのメインへの期待感にあった訳です。
 ですからこのメインにおいてはこれまでを超える盛り上がりが見られる。
 ECWのようなカオスな部分が含まれていない純粋なそれは
 比類するものを歴史に求めればボブ・バックランドの時代まで遡らなくてはならないのではないか。
 それぐらい熱狂的な雰囲気でした。

 さて試合ですが、序盤はレスリング。
 仕切りながら軽い韻を踏み、
 ムーブを付け足したり、予告を加えたりしていきます。
 そこまで大きな声ではありませんでしたが、この段階でYou can't wrestleのチャントが起きました。
 勿論客観的に見てシナがレスリングが出来ていなかったかというとそうではない。
 アマレスは出来ませんが(パンクも同じ)、行っていたのはプロレスのレスリングですからね。
 それはともかくとしてここで注目すべきはパンクが観客の声に耳を傾けている事を証明したって事です。
 自分の事かい?と身振りを示し、続いてシナを指差して見せた。
 いつだったかHHHもRawでの好勝負で似たような事をしていましたね。
 レスラーには観客を使って試合をするレスラーがいます。
 しかし試合ですからそれが前面に出てくる事はありませんね。
 唯一の例外はこのようなアピールだけでしょう。
 そして今回のようにそのアピールにおいて
 リアルタイムでジャストでレスラーが反応を返した時、
 観客は試合に参加しているのだ、貢献しているのだ、という事実を思い出します。
 ですからこの序盤は構築面でも良いものだったけれども
 一番大きかったのはアピールで持って観客に一種のプロ意識を持たせ、節度を持たせた事。
 それにより観客が正統に盛り上がるようになり、
 後のLet's go Cena! CM Punk!というチャント合戦に繋げた事こそ評価されるべき事かもしれません。
 それはパンクの上述のアピールに代表されるが、
 ひるまず、つけいる隙を見せなかったシナもまた貢献している。

 続いては打撃の解禁。
 つまりシナのダウン・ベース・スタイルが生きるか死ぬかという問題になってくる。
 結論から言うと心配は杞憂に終わり、試合にフィットしています。
 パンクはシナをダウンさせておく程攻撃力のあるレスラーではありませんから
 シナが自分自身でそのスタイルを矯正して望んでいます。
 具体的には打撃で倒れた直後に振り返したりして反撃までの時間を極力短くし、
 またカバーを返された直後に素早くグラウンド・サブミッションに移る事で
 いつもよりも小さいスケールでメリハリをつけています。
 そしてそれによりゼロ・ベースでダメージ設定を作り上げるというシナの最大の強みが発揮される。
 パンクもそれを理解して両者ダウンなど調節を見せている。

 中盤はその名のとおり先ほどの世界観を膨らませると同時に
 終盤の前に必殺技の前振りを行う時間帯です。
 パンクは観客の雰囲気を利用しながら地元ヒーローとして試合を運び、
 シナは観客ではなくパンクを見ながら間を空け情感的なタッチを加えます。
 役割分担しながらも相手の存在あっての役割であり、極めて優れた試合構築です。
 しかしこの中盤で何より目を引くのは断崖式ブレーン・バスターの存在でしょう。
 PG路線における過激な試合。
 それを実現するに当たって指針となるスポットです。
 またシナのアブナミドル・ストレッチの使い方も面白い。
 肉体を酷使するスポットの一方で古典的な技の見直しが見られたのは素晴らしい事です。
 そして終盤前のスポットに抜擢されたトペ、
 これもまたその価値を大きく見直される事になるのでしょう。

 終盤。
 必殺技を決めざるをえない状況です。
 そうなると対等に置いてきたAAとG2Sの間でバランスが崩れる訳ですね。
 ここで2人がカバーをしたという事が大事です。
 実際の試合ではAAが決まり返されて一撃性の観点から価値が落ちた。
 その時にSTFが第2の必殺技として出してくる。
 ここでアナコンダ・バイスをパンクも第2の必殺技として使ってしまうとバランスが取れない。
 しかし単なるカウンターとして1回使っただけだからこそ
 必殺技X2vs.一撃必殺技という差異ある互角の構図に持っていけた。
 だからこそボリュームがあり、変化のある攻防になっています。
 またパンクがこれまでと違い観客を見ないようにシフトしたために
 必死さが生まれ必殺技以外の技も大きな反応を得ています。

 この試合における唯一の欠点は、
 よりインパクトを与えるために相手の技に対して
 ぎりぎりで着地したり逃れたりカウンターを決めようという意識から攻防の乱れが目立った事です。
 特にカウンターのパワー・ボムは自爆といった方が正確かもしれません。
 確かにそうです、攻防が乱れる事は欠点です。
 しかし技を綺麗に決める事は最重要項目ではありません。
 そんな事はゲームのキャラクターに任せておけば良いのです。
 彼らは再現性100%で教科書通り技を決めてくれるでしょう。
 そんな些末な事より重要なのは2人のレスラーがプロレスで持って
 14,815人の観客に対し、世界で一番の王座を争っているのだ、と信じさせた事です。

 観客は試合前から世界で一番ホットでしたが、
 決してザ・ロックvs.ホーガンのように観客の領分を見失う事はなかった。
 観客として参加する時、それは如何に強烈であっても間接的な後押しに過ぎません。
 ですからこの試合の評価は2人だけのものです。
 WWEのストーリー、アメリカン・プロレスの技の捉え方、必殺技の尊重、
 全日本プロレスの突き詰めた30分越え構築、日本プロレスの情感、
 それらを融合させた試合を成し得た栄誉は2人だけのものです。
 年間最高試合候補、ぎりぎり名勝負です。
 (執筆日:7/19/11)

IWWE王座統一戦:ジョン・シナ(ch)vs.CMパンク(ch)(Summerslam 8/14/11)
 まずは同じ事をやり返す形のレスリング。
 仕切りを置いて観客の反応を引き出しているものの相互の働きかけは見られず。
 観客もレスラーも初戦のようなエピックを内に秘めて望む事は難しいでしょうがフラットな印象を受けますね。
 中盤はパンクの腰攻め。
 シナのダメージ設定がやや重く、必要以上にスローペースになっています。
 受けの提案力、表現としてはまずまずですけどね。
 後半は再戦の常道として定番ムーブの切り返しを多めに交えています。
 シナのドロップ・キックを初めとした良い意味で雑である事で
 気持ちを伝えるムーブも効果的に働いていますね。
 HHHのレフェリングもマイナス要素にはならず、メインとして合格点を与えられる内容でした。
 しかし単純な対等な扱い、俗っぽい再戦のイメージに縛られて深みにたどり着けていなかった事は確かで、
 相対的には物足りなさを感じる。
 中々良い試合。
 (執筆日:8/15/11)

J#1コンテンダーズ・マッチ:ジョン・シナvs.CMパンク(Raw 8/22/11)
 試合前シナのシャツが観客から2回投げ返される。
 このやり取りは観客にちょっとした一体感を与え、
 シナはこの疎外された状況を楽しもう、という諦観の境地に達する。
 序盤でやっている事は基本的なレスリング。
 しかしやっている本人が楽しんでいるか、楽しんでいないか、
 それによって同じ行動も輝きを左右される。
 この日のシナは表情が輝いていて活き活きとしている。
 いきなりフライング・ショルダー・タックルのシークエンスに入ったのも
 反感を覚える観客を掌で動かしてやろうという意図がある。

 中盤の必殺技の攻防は意図的に間を置かず演舞的に行っているがこれも最良の道。
 通常放送の尺で必殺技の攻防を潤沢にやるなら導入は軽く入っていかなければならないから。
 といっても軽いままではいけない、と
 試合が進むにつれて間を伸ばして1つ1つの技を価値を高めて打っていく。
 上手くバランスを取って両立している。

 シナvs.パンクIIIは必殺技ばかりの内容です。
 しかし必殺技を使い捨てていく試合ではない。
 その根元には基本的な技だけで高いクオリティの試合を成立させるのと同じ手法がとられている。
 リズム〜間まで様々な間隔を使いこなすことによって情感を加えている。
 そしてこれは三戦目で遺恨が昇華して認め合うライバル関係になったからこその攻防で、
 そして何よりWWEという大企業では珍しい程試合を楽しむという素の感情がひしひしと伝わってくる。

 最後はMITBを逆にした形、ナッシュという第3者にパンクが気をそらされて敗北するというものでいまいちなエンディング。
 しかし2試合目の劣化リメイクと違って、
 3作目ならではのオリジナリティーを見つけた素晴らしい内容。
 好勝負に届かずも中々良い試合でした。

 (執筆日:8/27/11)

KWWE王座戦:CMパンク(ch)vs.ジョン・シナ(1000th Raw 7/23/12)
 (シナがMITBの権利を行使)
 オーソドックスなレスリング。
 2人の立場を絡め感情入りで行いました。
 シナはダウン・モードを封印して対等化を優先させていたのは興味深い。
 1度クール・ダウンさせてから殴り合い。
 シナが下がってちょっとした変化をつけています。
 挑戦者のスタンスを表現したのでしょうか。
 それぞれ相手の流れに対してカウンターを挟んでおり数え歌にふさわしい内容ですね。
 只質は落としていないものの急いていることは否めないな、と思ったらレフェリー気絶。
 そこからはブックによる演出へ。
 ショーが乱入。
 シナがパンクの時と受け身を変えているのが面白いですね。
 その後ロックの乱入。
 長いシーンではありませんでしたがロックにスピード感が戻っていて
 受け身もクイックなものだったところに期待感を掻き立てられました。
 最後はパンクとロックの絡みにスティールされた格好ですが良い試合です。
 まあまあ良い試合。
 (執筆日:8/14/12)

LWWE王座戦:CMパンク(ch)vs.ジョン・シナ(Night of Champions 9/16/12)
 まずはオーソドックスなレスリング。
 観客を見るよりもお互いから目線を離さないことを優先させていますね。
 前回のようにストーリーが飛びぬけてヒットしていないためにこのやり方は十分に効果を挙げていません。
 もっとも一方通行ではなく観客の反応の大小を聞き分け試合には取り込んでいる。
 シナがスナップ・スープレックスをレスリングの延長上に置いてきたのは面白かったですね。
 一方のパンクは去年に比べ空気のつかみ方が劣っているように写る。
 展開していくにつれ会場が乗って行く感覚がないんですね。
 ただやっていること自体は良いので会場のノリが元々余り良くないという理由かもしれない。

 中盤は持ち技に対する切り返しに加え、
 それぞれのシークエンスを断つように攻守を入れ替えることで攻防を繰り広げています。
 パンクが幾つか目新しい動きを導入していたのは評価に値する。
 ただリズム変化は微妙なヒール的感情に基づいて行っていますが
 繊細すぎて観客に伝わっていないのが残念です。
 
 終盤はSTF、アナコンダ・バイスの切り返し合戦を
 ベノワ/カートばりに豊富に取り揃えることでボリュームを満たしています。
 ただそれならG2SとAAの一撃性は担保して欲しかったですね。
 パンクの必殺技級以外の攻めも密度を落としている。
 それぞれの心の移ろいを描く上ではある程度のアクション量が必要とはいえバランスは取れていないように思います。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:9/17/12)

Mジョン・シナvs.CMパンク(Raw 11/12/12)
 SS3ウェイ前の一戦。
 パンクがレスリングで押された後、CMを挟んで優勢に立ちます。
 序盤作りはTVということで軽いですね。
 それでもシナが劣勢の状況でバック・スライドのカウンターを挟んでみたりと
 相手がパンクならではの意欲的なアイディアが冴える。
 シナのファイブ・シャッフル・ナックル絡みのスポットは見事で
 ライバル関係がアイディア性、攻防の豊かな緩急に貢献していることを実感させる。
 ヘイマンも絵作りに貢献しながら冴え渡る攻防の数々を堪能してください。
 アナコンダ・ヴァイス/STFといったサブミッションを加えて
 終盤にはこれで決まるという瞬間が幾つも見られた一戦です。
 中々良い試合。
 (執筆日:3/2/13)

N#1コンテンダーズ・マッチ:ジョン・シナ(co)vs.CMパンク(Raw 2/25/13)
 開始時にシナが若干の強制力を伴わせたレスリング。
 CM挟んでパンク・ターンかな、と思わせつつ再びシナのレスリングへ。
 いつものTV様式と違う展開にこの後待ち構えている特別感のチラ見せ。
 vs.HBKを髣髴とさせるヘッド・ロック・ベースの構成後、中盤へ。
 カウンターを上手く利用し普段2段上がるところを1段に抑え、
 それを一進一退と絡めることで中盤のボリュームを増しています。
 またアナコンダ・ヴァイス/STFによって
 終盤前の様式的位置づけを脱却して勝敗により直接的に関わる意識を持たせている。
 シナがSTFの変形Verとしてクロス・フェイスを使い、
 アナコンダ・ヴァイスと体勢を入れ替えて決め合ったシーンも面白かったですね。
 お互いのライバル関係を極めてスマートに描いている。
 殴り合いを挟んでから終盤へ。
 シナはシット・ダウン・パワー・ボムを皮切りに
 疲労感と技の見栄えで大技をAAレベルに引き上げていましたね。
 パンクはあくまでGTSを頂点に置いた技の使い方。
 しかし丸め込みのアクセントや鉄柱の絡め方、
 そしてパイル・ドライバー解禁は非常に効果的でした。
 最後のAA決着前のハリケーン・ラナは
 2度目は通用しないネタながら意外性は十分で
 この特別な試合を締める流れにはなりえていた。
 王座がかかっている訳でもないし、
 WMで戦うロックが出てくる訳でもないので、
 試合後の光景が若干寂しいものがあるものの
 試合自体はPPV、いやWMのメインを張っても十分な内容。
 文句なしに好勝負です。
 (執筆日:3/2/13)

注目試合の詳細

FWWE王座戦(シナは負ければ首):ジョン・シナ(ch)vs.CMパンク
 会場からは大CMパンク・チャント。シナの入場曲がなるなりブーイング。シナが入場してくるとパンクはリングサイドに下りる。その観客席最前列にはコルト・カバナの姿が。
 ゴングが鳴る。パンクがヘッド・ロック。シナがバックに周りスナップ・メアからチン・ロック。パンクがロープに押し込み蹴りを放つもかわされる。観客からはYou can't wrestleチャント。パンクが俺のことかい、とおどける。シナを指差すと歓声。シナがタックルへ。アナコンダ・バイスを狙った様子だが無理と見るやすぐに諦めアーム・ロック。ロープに振られショルダー・タックル。仕切りなおし。シナがヘッド・ロック。 ロープに振られショルダー・タックル。ロープに走る。パンクがカウンターでヒップ・トス。ドロップ・キック。グラウンド・ヘッド・ロック。シナは起き上が るとロープに振る。パンクがショルダー・タックル。You can’t see me。ロープに走る。シナが担ぐ。パンクが逃れ担ぐ。シナが逃れて仕切りなおし。
 パンクが蹴り。蹴りを連打しストンピング。シナがコーナーに振り返しブルドッグ。カウント2で返されるもフロント・ヘッド・ロック。パンクが殴りつけ ロープに走る。シナがカウンターでクローズライン。カウント2で返されるもすぐチン・ロック。パンクが起き上がりバック・ドロップ。カウント2。パンクが コーナーに振って前からぶつける。カウント2。シナがコーナーに押し込んでぶつける。コーナーに振り蹴り。スープレックス。カウント2。裏に回って待ち構 えると担ぐ。パンクが逃れDDT。カウント2。首4の字。シナが体勢を変え肩車。パンクはエルボーを打ち込み逃れると場外に落とす。エプロンに叩きつけ る。エプロンに横にするとセカンド・ロープからニー・ドロップ。リングに戻しカバー。カウント2。コーナーに振り突進。しかしかわされ鉄柱に激突。両者ダ ウン。
 シナが先に起き上がりSTFを狙う。パンクが蹴り飛ばして逃れクローズライン。カバー。カウント2。チン・ロック。シナが起き上がり蹴り。コーナーに振 り突進。パンクがカウンターで蹴り。コーナーに飛び乗りクロス・ボディ。カウント2。受身を綺麗に取りそこねたシナはエプロンに出る。パンクがシナを起こ しリング内へのブレーン・バスターを狙う。シナが逆に持ち上げ場外へのブレーン・バスター。自らも体を打ちつけ両者ダウン。 
 起き上がるとパンクをリングに戻しカバー。カウント2。フィッシャーマンズ・スープレックス。ロープに走りエルボー・ドロップ。カウント2。背に担ぐ。 逃れるも再び背に担ぎ変形アバランシュ・スラム。カウント2。ジャブを打ち込んでいく。パンクが殴り返す。パンクが殴りつけていく。シナが振り返しアブナ ミドル・ストレッチ。パンクが顔に手をかけて体勢を変えヒップ・トス。同時にクローズラインで相打ち。両者ダウン。
 カウント6で同時に起き上がる。シナはクローズラインをかわしてロープに走るとフライング・ショルダー・タックル。もう1発。クローズラインをかわし バック・ドロップへ。パンクが着地しスクール・ボーイ。シナがカウント2で返し蹴り。コーナーに振ろうとする。パンクが振り返しハイ・ニーへ。シナがかわ しプロト・ボム。You can’t see meをすべくかがむ。パンクが蹴り上げる。背中を蹴りつけて場外に落とす。トペ・スイシーダ。場外カウントをカット。リングに戻すとエプロンに上がる。ス プリングボードへ。シナはかわして自爆させるとYou can’t see me。ファイブ・ナックル・シャッフル。担いでAAへ。パンクが尻餅をつきながらも着地。蹴り。水面蹴り。カバーするもカウント2。パンクが先に起き上が りG2Sを狙う。シナが逃れガット・レンチ・スープレックス。カウント2。担ぐ。パンクが後ろに逃れてロープに押すとハイ・ニー。顔にもう1発叩き込む。 ブルドッグ。スプリングボード式クローズライン。カウントは2。蹴りを打ち込んでいく。シナは蹴りをかわすと倒しSTF。パンクが何とかロープを掴む。シ ナがロープにもたれるパンクを引き離そうとする。パンクが振り払いハイ・キック。カバーするもカウント2。コーナーに上り立ち上がる。ダイビング・クロ ス・ボディ。シナが受け流して担ぎ上げる。パンクが後ろに逃れてG2Sへ。シナが受け止めて倒しSTF。ロープに手を伸ばすパンクを中央に戻しSTF。パ ンクがアナコンダ・バイスに切り返す。シナが食らいながらも起き上がって担ぐ。AA。すぐにカバーしに行くがカウントは2。コーナーに上る。ダイビング・ フェイマサーへ。パンクがカウンターで不完全ながらパワー・ボムを決める。カウント2。G2Sアピール。G2Sへ。シナがロープを掴んでエプロンに着地し ロープを使ったジョー・ブリーカー。コーナーに上りダイビング・フェイマサー。カウントは2。シナは起き上がると待ち受ける。起き上がったパンクを担ぎ AA。すぐカバーするもまたもやカウント2。レフェリーにカウント3じゃないかと確認。起こすとコーナーにのせる。雪崩式AAを狙う。パンクがエルボーを 打ち込んでいく。前に回り雪崩式ハリケーン・ラナ。ニー・パッドを下ろすとコーナーのシナにハイ・ニー。G2S。ロープ際だったためにシナが場外に転がり 落ちる。場外に下りるとシナをリングに戻す。ビンスとエースが姿を現す。パンクは憎々しげに見つめるもリングに戻る。シナがその隙を突いてSTF。ビンス がエースにゴングを鳴らしに行くよう命令。シナが場外に下りエースにカウンターでクローズライン。こんな形で終わらせハしない、と言う。リングに入る。そ こをパンクが担ぎG2S。カウント3!パンクが新WWEチャンピオンに!
[Winner:CMパンク(33:37)]
  ビンスは目をむく。パンクが王座を掲げる。ビンスは実況席に行くとヘッドフォンを奪い入場曲を止めさせる。今からキャッシュを使うぞ、といってデル・ リオに来るよう伝える。デル・リオがキャッシュを持ってリングに入ってくる。パンクが入ってきたデル・リオにハイ・キック。そして王座を持って観客席へ。 そのまま逃げていく。パンクは観客席の中で王座を掲げる。

GWWE王座統一戦:ジョン・シナ(ch)vs.CMパンク(ch)
 組むとパンクがコーナーに押し込み離れる。パンクがヘッド・ロック。ロープに飛ばされショルダー・タックルからカバーもすぐ返される。シナがリスト・ ロックにいくも逃げられる。パンクがバックを取る。シナがグラウンド・ヘッド・ロック。ロープに振られショルダー・タックルからカバーもすぐ返される。仕 切りなおし。
 シナがリスト・ロックを取りチン・ロックへ。パンクがスピニング・ヒール・キック。カウント2。シナを起こすとニーを叩き込みロープに振る。キッチン・ シンク。カウント2。ボディ・シザース。シナがほどきSTFを狙う。パンクは蹴り飛ばすとエプロンに出たシナにリング内へのブレーン・バスターを狙う。シ ナも投げようとする。パンクがロープを使ったジョー・ブリーカー。三角飛びドロップ・キックで落とす。リングに戻ってきたシナをカバー。カウント2。ネッ ク・ロック。シナが食らいながらも起き上がる。腹にエルボーを食らいながらもスラムを決める。パンクのクローズラインをかわすとフライング・ショルダー・ タックル。もう1発狙う。パンクがカウンターでハイ・ニー。カウント2。パンクがコーナーのシナにハイ・ニーを狙う。シナがかわしフライング・ショル ダー・タックル。もう1発。プロト・ボムへ。パンクが首投げに切り返しハイ・ニー。ブルドッグへ。シナが耐えプロト・ボム。You can’t see meをやるためにかがむ。蹴りつけようとしてきたパンクの足を掴みSTFを狙う。パンクが慌ててフェイス・バスターからコウジ・クラッチ。シナが振りほど きSTF。パンクがアナコンダ・バイスに切り返す。両肩がつきカウントが数えられる。シナはカウント2で返すとSTF。パンクがロープに脚をかける。シナ が突進。パンクがカウンターでショルダー・スルー。トペ・スイシーダを決めるが自身もフェンスに激突。HHHがカウント9までカウントを数える。自らが下 りて両者をリングに戻す。
 両者立ち上がる。殴り合い。パンクがハイ・キックへ。シナがかわしAAを狙う。逃れてロープに走ったパンクにドロップ・キック。You can’t see meからファイブ・ナックル・シャッフル。AAへ。パンクがサンセット・フリップ。シナがカウント2で返しジャックナイフ固め。パンクがブリッジで起き上 がりハイ・キック。カウント2。パンクがGTSを狙う。シナが逃れコーナーに振りスプラッシュ。担いでスラム。カウント2。コーナー上へ。パンクがハイ・ ニーを叩き込む。セカンド・ロープから飛びつきブルドッグ。カウント2。スプリングボード式クローズラインへ。シナがかわしSTF。パンクがロープを掴 む。AAへ。パンクが逃れGTSを狙う。シナが逃れAA。カバーするもカウントは2。コーナーに上る。ダイビング・フェイマサーへ。パンクはかわして自爆 させるとGTS。膝を押さえながらもたれるようにカバーするがカウント2。コーナーに上り天を指差す。ダイビング・エルボー・ドロップ。カウント2。カウ ント2だったか、HHHに確認。シナを起こそうとする。シナがインサイド・クレイドル。カウント2。パンクがニー・ストライク。シナがパンクを殴りつけ蹴 り。殴りつけ吼える。パンクがソバット。ハイ・ニー。GTSを決めカバー。シナの脚がロープにかかっていたがHHHは死角で見えずカウント3!
[Winner:CMパンク(24:14)]
 シナがHHHに話しかけるもそのまま退場。HHHはパンクの腕を挙げてから去っていく。突然大男が入ってきてパンクにクローズライン。その男はケビン・ ナッシュ。退場しようとしていたHHHは唖然としながらリングに戻ってくる。ナッシュはパンクにジャックナイフを決めると去っていく。そこにデル・リオが 登場。MITBの権利を行使するといいゴングがなる。

試合結果

@ジョン・シナvs.CMパンク(RAW 11/23/09)
ASotYトーナメント1回戦:ジョン・シナvs.CMパンク(12/14/09)
Bジョン・シナvs.CMパンク(ノー・コンテスト)(Raw 6/7/10)
Cジョン・シナvs.CMパンク(DQ)(Raw 1/17/11)
Dジョン・シナvs.CMパンク(DQ)(Raw 2/7/11)
Eジョン・シナvs.CMパンク(Raw 2/14/11)
FCMパンクvs.ジョン・シナ(House Show 2/23/11)
GCMパンクvs.ジョン・シナ(Raw 6/13/11)
HWWE王座戦(シナは負ければ首):ジョン・シナ(ch)vs.CMパンク(新チャンピオン!)(Money in the Bank 7/17/11)
IWWE王座統一戦:ジョン・シナ(ch)vs.CMパンク(ch)(Summerslam 8/14/11)
J#1コンテンダーズ・マッチ:ジョン・シナvs.CMパンク(Raw 8/22/11)
KWWE王座戦:CMパンク(ch)vs.ジョン・シナ(1000th Raw 7/23/12)
LWWE王座戦:CMパンク(ch)vs.ジョン・シナ(Night of Champions 9/16/12)
Mジョン・シナvs.CMパンク(Raw 11/12/12)
N#1コンテンダーズ・マッチ:ジョン・シナ(co)vs.CMパンク(Raw 2/25/13)