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WWE:Bret Hart vs. Bob Backlund Seriesの分析


名勝負 なし
好勝負 WWE王座戦:ブレット・ハート(ch)vs.ボブ・バックランド(House Show 6/12/93)

WWF王座戦、サブミッション・マッチ:ブレット・ハート(ch)vs.ボブ・バックランド(Survivor Series 11/23/94)

ブレット・ハート、ブリティッシュ・ブルドッグvs.ボブ・バックランド、オーエン・ハート(Action Zone 2/26/95)

@WWE王座戦:ブレット・ハート(ch)vs.ボブ・バックランド(House Show 6/12/93)
 技を敢えて食らう、試合を面白くするために動かす、という概念がない。
 スポーツ的な70年代レスリングです。
 ボブは久方ぶりの復帰ですけれども
 ブレットに見劣りしないレスリング・テクニックを披露します。
 いや、それどころか執拗なグラウンド・ヘッド・ロックに加えて
 ロックを食らいながら技を決めていくので、
 試合が進むにつれボブの存在感が増していきます。
 それにより初めはこの古すぎる内容に
 反応が控えめだった観客も熱を帯びていきました。
 そのレスリングは決して自由度が高くはないけれど熱意を伝えるには十分真剣で、
 似たような攻防でもそのエネルギーは失われない。
 ブレットは翌日にPPVで3連戦が控えているにも関わらず、
 30分越えの世代対決をやってのけました。
 素晴らしい。
 ぎりぎり好勝負。

AWWF王座戦:ブレット・ハート(ch)vs.ボブ・バックランド(Superstars 7/30/94)
 前年に比べるとレスリングの切り返しに重きを置いている事がわかります。
 また展開も早く、いきなりブレットは腕狙いです。
 ボブもパイル・ドライバーという多技から反撃。
 コーナーにぶつけたりと適度にスピードも出しながら試合は進行していきます。
 様々な攻防があり面白いのですが、
 ちょっと消化しきれておらず1つのストーリーにはなってないですね。
 Superstarsなのに意欲的過ぎたという所でしょうか。
 中々良い試合ながら試合後のボブの狂気のヒール・ターンにも注目です。

BWWF王座戦、サブミッション・マッチ:ブレット・ハート(ch)vs.ボブ・バックランド(Survivor Series 11/23/94)
 (日本語版ではチキンウィング・クロス・フェイスが決まる3分前からの収録で試合というより芝居なので注意)
 サブミッション・マッチですが一般的なサブミッションでのみ決着というルールではなく
 それぞれのセコンドがタオルを投げた際のみ決着という特殊ルールです。
 それ故セコンド(観客)にどれだけ痛みを伝えられるか、という
 作り手としての課題が戦い手としても課題になっている。
 試合は前のハウス・ショーともSuperstarsとも違い、
 ゆったりとそれでいてゴール地点を見据えた蓄積性のレスリングの攻め合い。
 それを可能にしているのはフィニッシュ可能なサブミッションと
 それ以外とを明確に意識して区別しているからです。
 最初は何者でもなかったボブが試合の中で再び力を増していく流れは
 ボブが11年ぶりに王座を戴冠する衝撃の結末にふさわしい。
 両者の必殺技サブミッションに対する攻防も緊迫感がありましたね。
 ボブがチキンウィング・クロス・フェイスに捕えると試合は実質的に終了。
 最後10分間はオーエンのスチュらに対する迫真の演技シーンで
 プロレス的にはどうなの?と首を傾げますがドラマチックではあります。
 素早い切り返しがある訳でも表現力がある訳でもないが
 レスリングがベースとして最高品質のレベルで機能している試合。
 文句なしに好勝負。

Cブレット・ハート、ブリティッシュ・ブルドッグvs.ボブ・バックランド、オーエン・ハート(Action Zone 2/26/95)
 序盤はヒール側がテンポ良く受けていく王道の展開。
 現代的なテンポですがボブは普通に混じっていて流れを阻害していませんね。
 ヒールはこずるい動きだけで構成し、
 鬩ぎ合いの末にブレットのシャープ・シューターが炸裂、
 それをカットした所でCMという良質な構成です。
 CM開けからはオーエン、ボブがブレットに脚攻め。
 テンポに乗っている上一つ一つの打撃が的確なタイミングで叩き込まれるので重いですね。
 レフェリーの注意を引き、タッチを見逃させるといった
 中々タッチできずにエネルギーが蓄積されていく王道の流れですが
 同時に4の字で試合が決まってしまうのではないか、とピンチにリアリティーがあるのが良い。
 最後はブルドッグが素晴らしい猛攻で爆発させ、控え受け、誤爆と続け、
 場外でブレットがボブにシャープ・シューターを決めている間に
 ブルドッグがオーエンを仕留めるという最高のエンディングで幕を閉じました。
 文句なしに好勝負。
 (執筆日:6/1/12)

Dアイ・クイット・マッチ(レフェリー:ロディ・パイパー):ブレット・ハートvs.ボブ・バックランド(Wrestlemania XI 4/2/95)
 双方も去年ほど上手く位置づけられていない所はあるにしても
 そのサブミッションの蓄積性が失われたのは
 パイパーがどんなサブミッションかに関わらず、
 やたらアイ・クイットか?と聞いているせいに依る所が大きい。
 ブレットも技の序破急を間違えている印象です。
 チキンウィング・クロスフェイスからの攻防は流石に盛り上がりましたが、
 これまでの3戦とは比べられようもない失敗試合。
 ボブは再び過去の遺物となってしまいました。
 少し悪い試合。


 (執筆日:10/2/11)

注目試合の詳細

@WWE王座戦:ブレット・ハート(ch)vs.ボブ・バックランド(House Show 6/12/93)
 ブレットが握手を求める。
 ボブは警戒しながらも応じる。
 ブレットが手を掴み引っ張る。
 ブレットがロープに押し込みクリーンに離れる。
 お互いヒップ・トスを狙うもこらえあう。
 ブレットが握手を求めブレットも応じる。
 ボブがタックル。
 ブレットが脚を払う。
 ボブがタックル。
 ブレットが蹴り飛ばす。
 ボブがバックを取る。
 転がそうとしたブレットにグラウンド・ヘッド・シザース。
 ブレットが逃れグラウンド・ヘッド・ロックにいくもボブがグラウンド・ヘッド・シザースに返す。
 ブレットが反転してすり抜けヘッド・ロック。
 ボブが起き上がり腕を押し上げようとする。
 ブレットが耐えハンマー・ロック。
 脚を取って倒すとカバー。
 ボブがカウント2で返すとブレットが場外に転がり落ちる。
 リングに戻る。
 組むとボブがヘッド・ロック。
 ロープに振られかけるも腰を落として離さない。
 両肩をつけられるも戻す。
 ロープに振られるもショルダー・タックル。
 グラウンド・ヘッド・ロック。
 ロープに振られショルダー・タックル。
 伏せたブレットを脚ではさんで丸め込む。カウント2。
 グラウンド・ヘッド・ロック。
 ロープに振られるもショルダー・タックル。
 ロープに走る。
 ヒップ・トスを食らうも蹴り飛ばす。
 エルボー・ドロップへ。
 ブレットがかわして自爆させる。
 アーム・ロック。
 ボブがボディ・スラムへ。
 ブレットは食らうもロックを外さず。
 ニーを叩き込み決めなおす。
 ニーを叩き込み決めなおす。
 ボブが拳を構えるも締められると崩れ落ちる。
 ブレットがハンマー・ロックで両肩をつけようとする。
 ボブがブリッジで耐える。
 そこから上にかぶさっていく。
 ブレットがカウント2で返し場外に出る。
 リングに戻る。
 握手を求める。
 応じてきたボブを引き寄せバックを取る。
 腕を取ろうとする。
 ボブがバックを取り返しハンマー・ロック。
 ブレットがハンマー・ロック。
 ボブが起き上がりスナップ・メアへ。
 ブレットは食らうもロックを離さない。
 ボブがバック・エルボーを叩き込み逃れる。
 ブレットが先に動きハンマー・ロック。
 ボブが食らいながらもベア・ハグ。
 持ち上げた状態でベリー・トゥー・ベリー。
 ブレットがアーム・ロック。
 ボブが食らいながら持ち上げニー・ブリーカー。
 脚にレッグ・ドロップ。
 両足を掴む。
 股間付近にストンピング。
 ブレットは脚を引きずっている。
 ボブが脚を蹴り払う。
 レッグ・ロック。
 蹴り飛ばされるも脚を取って倒しレッグ・ロック。
 ボストン・クラブを狙う。
 耐えられるも決める。
 ブレットが両手を突いて崩して上になる。
 体勢を入れ替えあう。
 ボブがカウント2で返し脚を取って倒しレッグ・ロック。
 ブレットが体を掴んで両肩をつけるも戻される。
 ブレットがハンマー・ロックに返し腕にニーを叩き込む。
 ボブは起き上がると首を掴んで回転させる。
 インサイド・クレイドル。
 ブレットはカウント2で返すとキー・ロック。
 ボブが丸め込もうとするもブレットが戻す。
 ボブが丸め込もうとするもブレットが戻す。
 ボブは体勢を変えると腕の力で持ち上げようとするも戻される。
 ボブが丸め込もうとするもブレットが戻す。
 ボブが体勢を変えると腕の力で持ち上げる。
 持ち上げた状態を維持するも力尽きて元に戻される。
 ボブが丸め込もうとするもブレットが戻す。
 ボブが腕の力で持ち上げ肩の上にのせる。
 そしてコーナー上にのせる。
 ブレットがダイビング・クロス・ボディ。
 ボブはカウント2で返すとバック・ドロップ。
 両者ダウン。
 ボブがカバー。カウント2。
 ブレットがバック・ブリーカー。
 ヘッド・バッド。
 ボディ・スラム。
 ブレーン・バスターを狙う。
 ボブが耐える。
 ブレットがインサイド・クレイドル。
 ボブはカウント2で返すとパイル・ドライバーを狙う。
 ブレットがリバース・スープレックスに切り返しレッグ・ドロップ。
 ロシアン・レッグ・スイープ。
 セカンド・ロープからエルボー・ドロップ。カウント2。
 ロープに振りショルダー・スルーを狙う。
 ボブがサンセット・フリップに返す。カウント2。
 ブレットがシャープ・シューターを狙うも崩される。
 コーナーでアッパーカート。
 ボブがエルボーで倒す。
 ストンピング。
 顔を掴んでエルボーを振り上げる。
 ブレットの頭部をマットに叩きつける。
 肩の上に担ぎ上げる。
 アトミック・ドロップ。
 パイル・ドライバー。
 カバーするもカウント2。
 ブレーン・バスターを狙う。
 ブレットが逃れバックを取る。
 ボブがバックを取り返しオコーナー・ロールへ。
 ブレットが体勢を入れ替えしカウント3。
 両者ハグして健闘を称える。


CWWF王座戦、サブミッション・マッチ:ブレット・ハート(ch)vs.ボブ・バックランド(Survivor Series 11/23/94)
 ブレットがボディ・スラム。
 ヒップ・トス。
 アーム・ドラッグ。
 ボブが場外に転がり出る。
 戻ってきたボブにヘッド・バッド。
 場外に転がり出たボブをブルドッグがリングに戻す。
 ブレットがボディ・スラムからエルボーを落とす。
 エプロンに出たボブを起こすと引っ張り挙げてブルドッグ。
 そのままヘッド・ロック。
 ボブがバック・ドロップ。
 ブレットが先に起き上がりエルボーを打ち下ろす。
 エルボーで倒しレッグ・ドロップ。
 チン・ロック。
 ロープに振られショルダー・タックル。
 グラウンド・ヘッド・ロック。
 ロープに振られショルダー・タックル。
 ロープに走る。
 ボブがドロップ・トー・ホールドからチキン・ウィング・クロスフェイスを狙う。
 ブレットがバックに周りヘッド・ロック。
 ボブが起き上がり脚を抱える。
 倒して上にかぶさろうとする。
 ブレットがハンマー・ロック。
 ヘッド・ロック。
 ボブが後ろに逃れチキン・ウィング・クロスフェイスを狙う。
 ブレットが反対に向きベリー・トゥー・ベリー。
 シャープ・シューターを狙う。
 ボブが蹴り飛ばす。
 ブレットがフロント・ヘッド・ロック。
 アブナミドル・ストレッチ。
 ボブがヒップ・トスに切り返す。
 ボディ・スラムへ。
 ブレットが体重をかけてつぶす。
 エルボー。
 ヘッド・バッド。
 ボディ・スラム。
 セカンド・ロープからエルボー・ドロップへ。
 ボブはかわして自爆させると腕を引っ張る。
 腕にエルボー。 
 ロープに腕を絡め引っ張る。
 コーナーに振ってぶつける。
 ロープに押し付けると腕をロープに絡める。
 背後に回ってチキン・ウィング・クロスフェイスを狙う。
 気づかれて脇固め。
 アーム・ロック。
 かけながら頭部を足でこすりつける。
 ブレットが跳ね起きて腕を取り返す。
 ボブがエルボーを叩き込むとブレットが場外に転がり落ちる。
 ブレットがオーエンを威嚇。
 背後から近づいてきたボブを殴りつけるとリングに戻す。
 リングに入ってきた所をボブが顔を引っかく。
 腕を引っ張る。
 顔にエルボーを打ち下ろす。
 アーム・ロック。
 ブレットは起き上がるとボディ・スラムへ。
 ボブは食らいながらもロックを離さず頭部に足をこすりつける。
 アーム・ロック。
 腕にストンピング。
 腕にエルボーを打ち下ろしアーム・ロック。
 ブレットが起き上がりネック・ブリーカー。
 ニー・ドロップ。
 ボブが倒れた状態から蹴り上げる。
 ボブがエルボー。
 アーム・ロック。
 ブレットが後転して蹴り。
 ボブが腕を引っ張る。
 ブレットがアトミック・ドロップ。
 シャープ・シューターを狙う。
 ボブがロープに逃げる。
 ブレットが引き外し4の字を狙う。
 蹴り飛ばされるももう1度狙い4の字を決める。
 オーエンがタオルを見ながら戦局を見守る。
 ボブが反転させる。
 ブレットが元に戻す。
 ボブがロープを掴む。
 ブレットが足にエルボーを打ち下ろす。
 脚にエルボー・ドロップ。
 ボブが下から殴りつける。
 ブレットが脚を引き裂く。
 脚をストンピング。
 足を掴んで倒すと4の字を狙う。
 ボブが抵抗してつぶす。
 ボブが殴りつけマットに叩きつける。
 パイル・ドライバー。
 両者ダウン。
 ボブがクロスフェイス・チキンウィングへ。
 ブレットがロープに逃げる。
 ボブがニーを突き上げる。
 ネック・ブリーカー。
 ロープに腕を絡ませ引っ張る。
 ブレットが蹴り飛ばす。
 ボブがブレットをコーナーに振る。
 もう1回振り突進。
 しかしかわされ鉄柱に肩から激突。
 ブレットが起こそうとする。
 ボブがパイル・ドライバーの体勢に。
 ブレットがリバース・スープレックスに切り返し殴ろうとする。
 ボブがかわしクロスフェイス・チキンウィング。
 コーナーに走り体勢を下げてターン・バックルにぶつける。
 ボブがブレットをロープに振る。
 両者激突して相打ち。
 ブレットが先に起き上がりレッグ・ドロップ。
 パイル・ドライバー。
 ブルドッグ。
 ロシアン・レッグ・スイープ。
 バック・ブリーカー。
 セカンド・ロープからエルボー・ドロップ。
 両足を掴む。
 ロープに逃げるボブを引っ張り挙げてマットに叩きつける。
 シャープ・シューターを決める。
 オーエンが邪魔するためにリングに入ろうとする。
 ブルドッグが防ごうと追い掛け回す。
 レフェリーがブルドッグを押さえつけている隙にオーエンがブレットにブルドッグ。
 ブルドッグがオーエンを追い掛け回す。
 しかしオーエンが不意に伏せたためにブルドッグは脚を引っ掛け鉄階段に顔から突っ込む。
 このアクシデントにはオーエンも動揺している。
 ブレットがそれに気づいて場外に注意がそれる。
 ボブが背後に回りクロスフェイス・チキン・ウィング。
 ロープを掴むブレットを引き離す。
 脚をかけてグラウンドに引きずり込もうとしている。
 ブルドッグは完全に気絶していて目をさまさない。
 オーエンは苦悩している様子。
 ボブがブレットをグラウンドに引きずり込む。
 立ち上がったブレットをグラウンドに引きずり込む。
 オーエンがスチュらにブルドッグを救うためにタオルを投げて欲しいと説得し始める。
 オーエンが再び説得。
 オーエンが柵をどけてスチュらをリングサイドに入れる。
 タオルを投げてくれ、と渡す。
 スチュが奥さんからタオルを奪い取る。
 まだ納得していない様子。
 オーエンが頼み込む。
 今度はブレットがもう逃れきれないのに決して諦めないから、と言う。
 奥さんがスチュからタオルを奪い取ってリングに投げ入れる。
 それを見るとオーエンがリングに入る。
 裁定を確認するとタオルを持って走り去っていく。
 ブレットは腕を抱えて付き添いを受けながら去っていく。
 ボブはベルトを腰に巻き誇らしげ。

試合結果

@WWE王座戦:ブレット・ハート(ch)vs.ボブ・バックランド(House Show 6/12/93)
AWWF王座戦:ブレット・ハート(ch)vs.ボブ・バックランド(Superstars 7/30/94)
BWWF王座戦、サブミッション・マッチ:ブレット・ハート(ch)vs.ボブ・バックランド(新チャンピオン!)(Survivor Series 11/23/94)
Cブレット・ハート、ブリティッシュ・ブルドッグvs.ボブ・バックランド、オーエン・ハート(Action Zone 2/26/95)
Dアイ・クイット・マッチ(レフェリー:ロディ・パイパー):ブレット・ハートvs.ボブ・バックランド(Wrestlemania XI 4/2/95)