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コラム:世界三大アイアン・マン・マッチ


@アイアン・マン・マッチ:エディ・エドワーズvs.ビフ・ビューシック(Beyond Wrestling 11/17/13)
 始点、終点を典型に置きつつ、間に布石を置きます。
 受け身からの起き上がりは素早く緊張感がありますね。
 丸め込みの応酬を絡めて9分経過。
 執拗なヘッド・ロックに見せ場を絞り14分経過。
 エドワーズが打撃で切ってチョップを叩き込んでいきます。
 エドワーズが意思を通す形ですが、やや時間稼ぎにも見えるか。
 空間は上手く使っているんですけどね。
 20分経過。
 エドワーズが突進をかわされ鉄柱に激突。
 ビフが即座にトペで追撃して主導権を取ります。
 複数本決まりうる形式だからといって
 軽い形で決めれるなんて逃げは打たず、
 緩急で持ってしっかり決まりそうな雰囲気を作ります。
 もうすぐ30分。
 レスリングの切り返しを特別求められていないところでも取り入れ、
 細やかな密度アップを追及していきます。
 バックパック・スタナーをスリーパーに切り返したり、
 エプロンでのブレーン・バスターなど
 大きなスポットが炸裂するも決まらない。
 35分を経過し、かなりの疲労感と共に打撃を打ち合います。
 40分を経過。
 雪崩式ハーフ・ネルソン・スープレックスを着地するなど
 死力の限りを尽くすムーブの数々を経て、
 1フォールがすべてという雰囲気に帰結しました。
 狙い通りの雰囲気のまま残り10分を走り切り
 素晴らしい試合として幕を閉じることに成功しました。
 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:8/?/14)

Aアルファ・メイル王座戦、アイアン・マン・マッチ:ジョシュ・アレキサンダー(ch)vs.コービー・ダスト(Alpha-1 Wrestling 12/2/18)
 1年間で2度目の同一カードアイアン・マン・マッチ。
 1年間に限らずともプロレス史上初めての試み。
 前回と違うのはジョシュがヒール、コービーがフェイスになっています。

 コービーが過去の試合を踏まえて翻弄しにかかります。
 単独で見るとキャラを活かしきれていない印象もありますが、
 過去の試合を見ていると悪くない出だしです。
 道連れのラナから場外に移り10分経過。
 前回も使ったバー・カウンターの攻防を惜しみなく使い、
 ジョシュがハイ・フライを受け止めカウンターへのパワー・ボム。
 カウンターが冴え渡るジョシュがレッグ・ロックで先取。
 19分経過。
 前回のアイアン・マン・マッチと同じ1本目の試合時間配分ですが、
 その充実度は間違いなくあがっていますね。

 フェイスらしく粘りを見せるコービーに
 ジョシュが非情なカウンター・リバース・ツームストン。
 25分経過で2-0に引き離します。
 ジョシュは肩紐を外して打ってみろよ、と誘って倍返ししたりと
 ドミネイトしつつも上手く緩急をつけています。
 スーパープレックスからのみちのくドライバーでも
 コービーは1本取ず、厳しい状況の中、
 パイル・ドライバーで更にジョシュがフォールを奪い、3-0で30分折り返し。
 圧倒的な強さ。
 他のレスラーにはない魅力ですね。
 一本筋のストーリーながら単調さを感じさせずドラマチックに魅了しました。

 そこから40分までの10分間で一気に3-3へ。
 大逆転劇のブックの為とはいえ
 30分かけて作ってきたジョシュの強さを浪費しすぎにも思えます。
 しかしジョシュ自身かなり疲労感が出てきてましたが、
 すぐに力強さを取り戻せるのが素晴らしい。

 キーとなる技であるパイル・ドライバーを要所に使いながら演出。
 そんな中コービーがスリーパーを決めるとジョシュはコーナー上へ。
 そこからリングにたたきつけるかと思いきや
 リングサイドのテーブルに落下(51分)。
 完全KO状態となって時間を稼ぎ、残り6分クライマックスへ。

 フェイス/ヒールが変わったこと、
 時間を10分ではなく6分に絞ってきたことから
 過去2戦と異なりクライマックスも2人らしさを凝縮できています。
 サドンデスになった後も激戦を繰り広げ、
 2人のマスターピースを作り上げました。
 この抗争通じてのコービーの成長にも感心しましたね。
 プロレス史において3本指に入るアイアン・マン・マッチです。
 ぎりぎり名勝負。
 (執筆日:3/?/19)

BSPW王座戦、7番勝負第7戦、60分ハードコア・アイアン・マン・マッチ:アダム・ソーンストー(ch)(3)vs.リック・ラグジュリー(3)(SPW 10/28/07)
 まったく見たた事のない団体のまったく見たことのない選手。
 しかし、まったく見たことのないような名勝負なのでありました。
 序盤のレスリング。
 しっかり形がついていて
 名のない団体の大半がそうであるようなリアリティーのなさはありません。
 腕に狙いをつけたリックは
 リスト・ロックから捻ってマットにたたきつけたり
 古式インディアン・デス・ロックを決めたりと
 ほお、と唸らされる攻めを見せます。
 良く研究していますね。
 一方ヒールのアダムはストンプ系が武器の選手。
 ストンピングの際は思いっきり上げてから振り下ろしており実に絵になります。
 画鋲付キックパッズを持ち出しリックを追い込みます。
 ここで15分経過。

 リックが反撃を開始しビッグ・ブーツ連打で流れを作ります。
 威力は十分で説得力ありますね。
 トペにいくもアダムが椅子で打ち落とします。
 ぐったりとロープに引っかかったところで
 先ほどのキックバッズで蹴り連打。
 良く考えられたスポットです。
 その後ハードコアな場外乱戦。
 ラダーも飛び出しました。
 凶器攻撃に引けを取らないフェイス・ウォッシュなどの
 ハード・ヒッティング技も豊富です。
 まったく疲れを感じさせないアドレナリン前回の潰しあいは
 リックのゴミ箱によるヴァン・ダミネーターで1本目の幕を閉じます。
 ここで16分。

 リックは理屈どおり連取を狙いにいき、
 アダムは1本取られたKO寸前の状態から
 何故2本目を取られないか理屈のある凌ぎ方を見せる。
 そして通常形式と同じ要領で反撃の流れを生み出します。
 戦場は(言い忘れていましたが会場は体育館です)ステージに移り、
 ステージ前のテーブルを巡る攻防に。
 ここでも簡単に決めず、ぎりぎりの防ぎあいをした後、
 入場セットの上からのダイビング・ダブル・ストンプという
 予想を超える方法でテーブル葬してきます。
 これを決めたアダムがリックをリングに戻してフロッグ・スプラッシュ。
 25分経過時に1-1に追いつきます。

 その後は有刺鉄線ボードを取り出してくるわ、
 椅子を頭に引っ掛けてドロップ・トー・ホールドを決めるわ、
 鉢を被せてダイビング・ダブル・ドロップで割るわ、と
 デス・マッチ同然の更に過酷な削りあい。
 その結果、アダムが連取し2-1とします。
 この時点でまだ35分。
 本当に試合が続行できるのかと心配になってきます。
 ここで試合中止にして現時点での本数からアダム勝利としても
 誰も文句を言わなかったでしょう。
 しかしリックは頭部にテーピングを巻いて再び試合に赴く。
 ここまで過激なことをやればリアルもリング上の仮想もズレなんてありません。
 過激なスポットに喘ぎ、苦しみ、
 それでも精神力で返していく。
 ぼろぼろになり休む必要がある時には休み、
 それでも動かなければいけないと動く。
 ハードコアな乱戦が続きます。
 場外にテーブルを設置し、横にラダーを立てます。
 ラダーを上りテーブル葬かって。
 いやいや、そんな生易しいものではなく、
 ラダー上からバスケのゴールに移り、
 そこからダイビング・エルボー・ドロップでテーブル葬。
 息も絶え絶えにリングに移り、50分経過時に2-2の同点となります。

 最後の10分は乱戦もできない状態で
 (リアルとしてもリングの戦いとしてもです)、
 膝を突いての殴り合いやスリーパーで落としにかかる。
 スリーパーで駄目なら画鋲をばら撒いて画鋲へのクラブ・ストンプ。
 これでも終わらず最後は体に鞭打って必殺技を狙いに行く。
 ここまでハードコアの髄を尽くして、
 最後はリックが必殺技の体勢に入ったところを潰してのカウント3。

 実に素晴らしい心意気です。
 Holy Shit!と叫ぶことも忘れる過激さと
 真摯なプロレスへの思いが同居したとんでもない試合です。
 デス・マッチの狂いとも一線を画していて
 DVD製作もまだされていないような小さく、
 そして割に合わないペイしかもらえらない団体で
 何故ここまでの試合が生まれるのか。
 理解不能の凄さです。
 ぎりぎり名勝負。
 この試合はYoutubeでフルで見られますよ。
 まだ再生回数が20回程の掘り出し物。
 (執筆日:4/25/12)